サン=サーンス

2017年01月16日


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ジャン・マルティノンは60代になってから精力的にフランス物の録音に取り組んだ。

それらはベルリオーズ、ドビュッシー、ラヴェル、オネゲル、デュカスなど枚挙に暇がないくらいだが、このサン=サーンス交響曲全集も同時期、つまり1970年代のセッションで、それら総てが高い水準を維持している。

マルティノン自身、彼の円熟期の総決算として自国の作品に全力を注ぎ込んでいたに違いない。

そして奇しくも彼は1976年に他界している。

彼は高度な音色のブレンド・テクニックを使ってフランス国立放送管弦楽団から暖色系の繊細な音響を引き出している。

ドイツ系の指揮者であればもっと古典的な造形美を強調するだろうが、マルティノンの感性で捉えた解釈でスコアを読み取る柔軟なアプローチが彼らの演奏に特有の軽快さを与え、曲想に推進力を持たせているのも特徴的だ。

第3番『オルガン付』でも彼は決して稀有な大音響を作り上げようとしたのではなく、音楽自体が内包するエネルギーを解放する形で力みのない、しかし華麗な音楽を描き出している。

録音状態についてだが、この時期のEMIの特徴はオフ・マイクで採るホールの残響重視の方法で、当初筆者は中音に乏しく臨場感に欠ける録音上の欠点のように思っていたし、過去のレビューでもそう書いてきた。

しかし最近になってこの執拗とも言える録音方法を採用していたバランス・エンジニア、ポール・ヴァヴァシュールの確固たる哲学であったことが理解できるようになった。

特に音の陰影やその微妙な混交を考慮して作曲されたロマン派以降のフランスの管弦楽曲では、あくまでも鮮明な音質の追究という他のレーベルとは対極的な選択をしていたのではないだろうか。

つまりそれはそれぞれの楽器の音色を鮮明に拾うことではなく、複数の楽器の音色がミックスされた効果をホールの響きとして採りいれるという意味でのことだ。

フランス人の好む趣味を自分なりに想像するならば、一切を明るみに晒してしまうような方法は、むしろ品のないやり方で受け入れられなかったのかも知れない。

少なくとも一概にEMIが技術面で他社に大きく遅れをとっていたと決め付けるわけにはいかないだろう。

サン=サーンスの初期の交響曲を聴いていると、彼がいかに熱心な古典派の信望者だったかが理解できる。

そこにはハイドン、モーツァルトそしてとりわけベートーヴェンからの影響が濃厚に聴き取れる。

しかし曲調はあくまで明るく屈託のないところがいかにもフランスの作曲家らしい。

収録曲は番号付の3曲とイ長調及びヘ長調『ウルブス・ローマ』の5曲で、未完の作品を除く総ての交響曲を網羅している。

録音は1972年〜75年で演奏は総てジャン・マルティノン指揮、フランス国立放送管弦楽団。

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2015年07月08日


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シュターツカペレ・ドレスデンを中心に活躍したペーター・ダムは既に現役を退いて久しいが、現代の名ホルン奏者の中でも最もヒューマンな感覚に溢れた演奏を残してくれた人ではないだろうか。

世界最古の歴史を誇る名門オーケストラ、シュターツカペレ・ドレスデンは、現在でも伝統ある独特の音色において一目置かれる存在であるが、とりわけ東西ドイツが統一される前の1980年代頃までは、いぶし銀の重心の低い独特の潤いのある音色がさらに際立っていた。

そうした、名奏者で構成されていたシュターツカペレ・ドレスデンの中でも、首席ホルン奏者であったペーター・ダムは、かかるシュターツカペレ・ドレスデンの魅力ある独特の音色を醸し出す代表的な存在であったとも言えるだろう。

ペーター・ダムのホルンの音色は、同時代に活躍したジャーマンホルンを体現するベルリン・フィルの首席ホルン奏者であったゲルト・ザイフェルトによる、ドイツ風の重厚さを持ちつつも現代的なシャープさをも兼ね備えたホルンの音色とは違った、独特の潤いと温もりを有していたとも言えるところだ。

ペーター・ダムの奏法は息づくような自然なヴィブラートのかかった滑らかなカンタービレが魅力で、本盤に収められたフランスの作品集には彼のそうしたリリカルな面が縦横に発揮されている。

その一方で現代の作曲家の作品ではホルンのあらゆる技巧が披露され、テクニシャンとしても面目躍如たるものがある。

穏やかな曲ではクリアーな音色とソフトな歌心でメロディーに微妙な陰影を与え、オペラのアリアさながらに流麗だし、時として快活なエスプリを利かせた軽快さが生粋のドイツ人であってもこうしたのラテン系の作品に野暮な印象を残さない。

そこにペーター・ダムのすこぶる柔軟で洗練された感性が窺える。

ここではまたソロ・ピアニストとして活躍しているペーター・レーゼルの気の利いた、しかも手堅い伴奏が花を添えている。

冒頭に置かれたフランセの『ディヴェルティメント』ではユーモアたっぷりの表現が秀逸で、ファゴットを髣髴とさせる軽妙でおどけた急速楽章とそれに挟まれたアリアの対比も巧妙だ。

またビュセールの『サンテュベールの狩』は特有の色彩感の表出がこの小品に神秘的な趣きを醸し出しているし、いまやホルンのための古典的名曲になったデュカスの『ヴィラネル』には、どのフレーズにも楽器の特性を知り尽くしたペーター・ダムの機智が反映されていて、その変化に富んだ多彩な奏法には驚かされる。

最後の『プレリュード、主題と変奏』の作曲者ロッシーニは晩年パリに居を構えていたので、フランス趣味の作品として取り入れられているが、タイトルも『老いぼれのしでかした罪』という意味のフランス語で書かれた全14巻からなる作品集の第9巻に収められている。

カンタービレを思う存分歌ったテーマと、軽やかな高音部と豊かだが決して重苦しくならない中低音が交錯するヴァリエーションがホルンの持ち味を満喫させてくれる。

この音源はペーター・ダムが首席奏者だったシュターツカペレ・ドレスデンのレコーディング・スタジオとして使われているルカ教会で1985年に収録され、ドイツ・シャルプラッテンのクラシック部門ベルリン・クラシックスからリリースされた。

適度な残響を伴った音質は極めて良好。

なお、ペーター・ダムの魅力的なホルンの音色は、モーツァルトのホルン協奏曲集や、ホルンが大活躍するブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」においても聴くことが可能であるということを付記しておきたい。

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2015年04月24日


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ラロのスペイン交響曲(4楽章版)とショーソンの詩曲、サン=サーンスのハバネラ&序奏とロンド・カプリチオーソのカップリングで、ティボーの面目躍如たるレパートリーがぎっしり詰まった1枚。

しかしながら、オーパス蔵の素晴らしい復刻を持ってしても、音質の劣悪さはあまり解消されたとは言えない。

ティボーのヴァイオリンに焦点を絞って録音がなされたこともあって、オーケストラの音質が劣悪であり、序奏とロンド・カプリチオーソにおけるピアノの音も蚊の鳴くような音だ。

しかしながら、これだけで切って捨ててしまっては、本CDの意義が全く見失われてしまう。

本CDで聴くティボーのヴァイオリンは、自在闊達というか草書体というか、ティボー節というべき独特の提琴の歌と響きが堪能できる。

ティボーの絹のような細い官能的な線が魅力的で、何と言う瀟洒な味わいであろうか。

現今のヴァイオリニストでも、個性的な弾き手は数多くいるが、個性に加えて、これだけのフランス風のエスプリ溢れる瀟洒な味わいを音化できる弾き手は、おそらくはティボーだけではないかと考える。

確かに、技量という点からすれば、他にも優れた弾き手はあまたいるが、ティボーの演奏を聴いていると、仰ぎ見るような偉大な芸術を前にして、技量など二の次のように思われてくる。

いずれの曲もティボーの至芸を味わうことが可能であるが、筆者は、特に、スペイン交響曲と詩曲に惹かれた。

スペイン交響曲はエルネスト・アンセルメの指揮するスイス・ロマンド管弦楽団のメリハリのついた伴奏がついている。

ティボーのヴァイオリンに録音の射程を絞っており、ティボーの艶めかしいソロを堪能するにはうってつけで、スペイン交響曲のむせ返るような異国情緒を、これ以上に雰囲気豊かに演奏した例はほかにも見当たらない。

詩曲は、ウジェーヌ・ビゴーの指揮するラムルー管弦楽団との録音であるが、詩曲におけるこれぞフランス音楽ならではの香しい詩情は、ティボーだけにしか出し得ない瀟洒な味わいに満ち溢れている。

絶妙な間の取り方といい、歌いまわしの妙技といい、ポルタメントを駆使してまさに妖艶という言葉がぴったりの演奏である。

ノイズは凄まじいものの、フィリップスから出たものよりは音像がはっきりしている。

サン=サーンスのハバネラは、かつてケン・レコードから出ていたもので、ピエール・モントゥーの指揮するサンフランシスコ交響楽団との共演だが、モントゥーの伴奏は過不足なく、実に巧い。

序奏とロンド・カプリチオーソは、ピアノ伴奏であり、極端にヴァイオリンをクローズアップした録音ではあるものの、ティボーならではの自由自在な弾きっぷりが心地よい。

勿論、前述のようにテクニックや正確さ、楽譜への忠実度のみで音楽を聴く向きには論外なアナクロにしか映らないであろう代物だが、一度はまると媚薬のような弦の悦楽に耽ることができる。

ティボーと言えば、フランス流の洒脱さや気品といった陳腐な文脈で語られることが多い。

実際、そういう面が一番の聴きものである事は否めないが、どうか、歌いまわしの節々に現れる、ヴァイオリンの音色の純度の高さにも耳を傾けてほしいものだ。

音質は、オーパス蔵特有の極端な音質改変(低域あるいは中高域の異常な強調など)もなく、ほぼ音源そのままの音になっているのが好感が持てる。

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2015年02月10日


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サン=サーンスは、番号付の交響曲を3曲、そして番号が付かない交響曲を2曲の合計で5曲にわたる交響曲を作曲している。

この中で、交響曲第3番のみが「オルガン付き」という愛称もあるせいか極めて有名であり、その他の交響曲については無名の存在で、演奏すらされることが稀である。

したがって、録音も、その殆どが交響曲第3番のみであり、サン=サーンスの交響曲全集を録音した指揮者は殆ど限定的である。

そのような状況の中にあって、フランス人の超一流の大指揮者マルティノンが、最晩年にサン=サーンスの交響曲全集のスタジオ録音を遺してくれたのは、クラシック音楽ファンにとって実に幸運なことであったと言えるのではないだろうか。

マルティノンは、交響曲第3番については、5年前にも同じフランス国立管弦楽団とともにスタジオ録音(エラート)しており、その再録音を含めて、交響曲全集のスタジオ録音を行ったということは、マルティノンの本全集の録音にかける並々ならぬ意欲と、サン=サーンスという母国の大作曲家への深い愛着と敬意を窺い知ることが可能であると言えるところだ。

それにしても、演奏は素晴らしい。

マルティノンは、持ち味である力強さ、メリハリのついた明快さ、そして繊細な抒情などを全て併せ持つ多種多彩な表現力を駆使した剛柔のバランスのとれた演奏ぶりが際立っており、そうした指揮芸術が、サン=サーンスの各交響曲、とりわけ演奏機会が極めて限定的な交響曲第3番を除く他の交響曲の魅力を引き出すのに大きく貢献しているのを忘れてはならない。

また、各楽曲の細部における入念な表情づけも抜かりなく行われており、スコアに記された音符の表層だけをなぞっただけの浅薄な演奏にはいささかも陥っていない。

そして、それら細やかな表情づけが施された各旋律の端々からほのかに漂ってくる独特の瀟洒な味わいは、これぞフランス風のエスプリと評しうるものであり、その何とも言えない美しさには抗し難い魅力が満ち溢れている。

なお、交響曲第3番については、前述のエラート盤も名演であるが、オルガンのマリー=クレール・アランの存在感に際立ったものがあり、マルティノンの指揮芸術をより味わいたいというクラシック音楽ファンには、ベルナール・ガヴォティによるオルガン演奏がより抑制的であることもあり、本演奏の方をおすすめしたいと考える。

いずれにしても、本盤のマルティノン&フランス国立管弦楽団ほかによるサン=サーンスの交響曲全集は、その絶対数が少ないこともあり、究極の決定的な名全集と高く評価したい。

音質は、1975年のスタジオ録音ではあるが、数年前にリマスタリングされたこともあって比較的良好な音質である。

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2014年10月29日


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本盤に収められたサン・サーンスの交響曲第3番は、カラヤンによる唯一のスタジオ録音である。

カラヤンは、同曲をコンサートで採り上げたことも皆無であることから、レコーディングのためにのみ演奏したということにもなる。

この当時のカラヤンは70代の半ばに達していたが、同曲のほか、ニールセンの交響曲第4番やR・シュトラウスのアルプス交響曲など初録音が目白押しであり、カラヤンの老いても衰えない音楽に取り組む前向きな姿勢に心から頭が下がる思いがする。

同曲の独墺系指揮者による演奏は、カラヤンによる本演奏以外には現在でも皆無であるところだ。

その意味でも、本演奏は極めて希少価値のある存在なのであるが、音楽評論家の評価は押しなべて低いと言わざるを得ない。

確かに、同曲の数々の名演は、フランス系の指揮者によるものが多く、そうしたフランス風のエスプリ漂う瀟洒な味わいのある演奏からすれば、本演奏は極めて異質な演奏ということになるだろう。

加えて、本演奏の当時は、カラヤン&ベルリン・フィルの黄金コンビがその最後の輝きを放った時期でもある。

分厚い弦楽合奏、ブリリアントなブラスセクションの響き、桁外れのテクニックをベースに美音を振り撒く木管楽器群、そして雷鳴のように轟きわたるティンパニなどが、鉄壁のアンサンブルの下に融合し、およそ信じ難いような超絶的な名演奏の数々を繰り広げていた。

カラヤンは、このようなベルリン・フィルをしっかりと統率するとともに、流麗なレガートを施すことによっていわゆるカラヤンサウンドを醸成し、オーケストラ演奏の極致とも言うべき圧倒的な音のドラマを構築していた。

本演奏など、かかる圧倒的な音のドラマの最たるものであり、オルガンの壮麗な迫力も相俟って、サン=サーンスの交響曲第3番という大運動場で、ベルリン・フィルが大運動場全体を使って運動しているようなイメージの演奏と言えるのかもしれない。

重厚で華麗なカラヤンサウンドも、同曲においてはいささか場違いな印象を与えると言えるのかもしれない。

しかしながら、これだけの圧倒的な音のドラマを構築することによって、同曲演奏史上空前のスケールと壮麗な迫力を有する演奏を成し遂げたと言うことも可能であり、聴き終えた後の充足感においては、他のフランス系の指揮者による名演と比較しても何ら遜色はない。

いずれにしても、筆者としては、本演奏はカラヤン&ベルリン・フィルによる異色の名演として高く評価したいと考える。

録音は、リマスタリングがなされたこともあって従来盤でも十分に満足できる音質である。

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2014年08月07日


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本盤にはサン・サーンスの交響曲第3番とデュカスの交響詩「魔法使いの弟子」のフランス音楽の中でも特に有名な曲が収められているが、いずれも素晴らしい名演と高く評価したい。

本演奏を聴いていの一番に思い浮かぶ感想は、「巧い」、「凄い」、そして「楽しい」である。

このような感想は、深遠な内容を有する独墺系の作曲者などの交響曲等の演奏では芳しいものとは言えないが、本盤の両曲のように旋律の美しさや標題音楽の面白さが主眼の楽曲では、最高の賛辞と言えるのではないだろうか。

レヴァインは、世界一の名人揃いのオーケストラであるベルリン・フィルを率いて、それこそ管弦楽による豪華なご馳走を提供してくれていると言えるだろう。

サン・サーンスのオルガン付きの華麗なるオーケストレーションの面白さやデュカスの音楽の楽しさを、聴き手がこれほどまでにわくわくした気持ちで味わうことができる演奏は他にはあるまい。

ベルリン・フィルの卓越した技量は唖然とする「巧さ」であり、とりわけサン・サーンスの交響曲第3番の終結部のオルガンを伴った大音響のド迫力は「凄い」の一言。

デュカスの交響詩「魔法使いの弟子」は、あたかも魔法使いの弟子があわてふためくシーンが思い浮かぶほどの「楽しい」演奏に仕上がっている。

このような演奏を聴いていると、レヴァインの類稀なる音楽性の豊かさとともに、エンターテイナーとしての高い資質を痛感させられるところだ。

なお、ベルリン・フィルによるサン・サーンスの交響曲第3番の演奏としては、本演奏の数年前に録音されたカラヤン盤(1981年)があるが、そちらは楽曲の魅力よりもカラヤンの個性が全面に出た演奏であり、「巧さ」や「凄さ」においては本演奏とほぼ同格の名演であるが、「楽しさ」においては本演奏の方がより優れていると言えるのではないだろうか。

音質は1986年のデジタル録音であり、鮮明であるとともに、オルガンの重低音による音場の奥行きも幅広いもので、従来盤でも十分に満足できる音質である。

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2014年03月02日


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凄い演奏だ。

スヴェトラーノフは、サン・サーンスの交響曲第3番を得意としており、かつての手兵であったソヴィエト国立交響楽団(現ロシア国立交響楽団)とともに1982年にスタジオ録音を行っている。

当該演奏も途轍もない豪演であったが、本盤の演奏はそれから16年後のものであり、さらに輪をかけて凄まじいまでの巨大な演奏と言うことができるだろう。

大抵の演奏の場合は、約35分程度を要する同曲の演奏に、スヴェトラーノフは40分を超えるというスローテンポで演奏しており、まさに尋常ならざるゆったりとしたテンポで演奏を行っている。

オルガンを含む豪壮華麗なオーケストレーションで知られる同曲であるが、スヴェトラーノフは各楽器セクションに力の及ぶ限り強奏させており、その重厚にして強靭な響きは、あたかもロシアの広大な悠久の大地を思わせるほどであり、同曲がフランス音楽であることを忘れさせてしまうほどだ。

とりわけ、楽曲の終結部におけるド迫力は、再生装置が破壊されてしまうかと思うほどの凄まじいもので、おそらくは数ある同曲の演奏の中でも、最も強大なスケールを有した豪演であると評しても過言ではあるまい。

前述のように、本演奏はフランス音楽というよりはロシア音楽を思わせるような強靭さ、強大さを兼ね備えており、同曲にフランス風のエスプリや洒落た味わいを求める聴き手からすれば、疑問符がつく演奏と言えるのかもしれない。

しかしながら、聴き終えた後の充足感においては、同曲の数ある名演にも比肩し得ると言えるところであり、筆者としては、本演奏をスヴェトラーノフならではの超個性的な名演と評価するのにいささかの躊躇をするものではない。

カップリングには、ルーセンベリのバレエ組曲「街のオルフェウス」が収められている。

ルーセンベリは、スウェーデンの近現代の作曲家であるが、近現代の作曲家と思えないような親しみやすい旋律に彩られた佳曲を数多く作曲した知る人ぞ知る作曲家である。

同曲も1938年の作品と思えないような美しい旋律が満載の名曲であるが、スヴェトラーノフは、各場面毎の描き分けを巧みに行った、まさに聴かせ上手の名演奏を展開しており、知られざる名曲に光を当てるものとして高い評価が与えられるべき素晴らしい名演と言えよう。

スウェーデン放送交響楽団も、スヴェトラーノフの超個性的な指揮にしっかりと付いていっており、両演奏ともに最高のパフォーマンスを発揮しているものと評価したい。

音質は、1998年及び1983年のライヴ録音であるが、いずれも遜色のない優れた高音質である。

いずれにしても、かかる高音質のCDは、スヴェトラーノフ&スウェーデン放送交響楽団の名コンビぶりを鮮明な音質で窺い知ることが可能なものとして大いに歓迎したい。

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2014年01月26日


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フランスのエスプリに満ち溢れた詩情ここに極まれりとも言うべき美しい名演だ。

本盤に収められたフランス人の作曲家によるヴァイオリン・ソナタの数々は、いずれも必ずしも有名な作品とは言い難い。

むしろ、初めて鑑賞する聴き手も多いと言えるのではないだろうか。

しかしながら、いずれも美しい旋律に満ち溢れた大変な魅力作である。

言わば、知る人ぞ知る名作揃いであるが、カントロフは、こうした各ヴァイオリン・ソナタの美しい旋律の数々を情感豊かに歌い抜いている。

それでいて、センチメンタルな陳腐さに陥るということはいささかもなく、どこをとっても格調の高さを失うことがないのが素晴らしい。

そして、各フレーズの端々には、冒頭に記述したように、フランス風のエスプリに満ち溢れた瀟洒な情感が満ち満ちており、その何とも言えないセンス満点の美しさには抗し難い魅力がある。

もちろん、カントロフの演奏は、そうした美しい情感を全面に出すのみの演奏ではない。

持ち前の卓越したテクニックも随所において存分に発揮していると言えるところであり、はたまたテンポの振幅を駆使するとともに、アッチェレランドなども施すなど、個性的な解釈にも事欠かないところである。

そして、こうした個性的な解釈こそが、本盤の各楽曲の演奏を冗長なものとするのを避けるのに大きく貢献しているとも言えるところであり、いい意味において、剛柔のバランスのとれた優れた演奏と言うこともできる。

前述のように、本盤の各楽曲については、同曲異演盤が稀少な点もあり、こうした点を踏まえると、本盤に収められた各楽曲の演奏こそは、これら各楽曲の代表的な名演と評価してもいいのではないかと考えられる。

ジャック・ルヴィエによるピアノ演奏も、カントロフによるヴァイオリン演奏を引き立てるという意味において、まさに理想的な名演奏を展開していると評価したい。

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2013年10月07日


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これは素晴らしい名演だ。

近年のプレートルは、スクロヴァチェフスキなどとともに、現役最古参の巨匠指揮者の一人として、フランス系の音楽以外にも、ベートーヴェンやブルックナー、マーラーの交響曲、そしてウィンナ・ワルツなどにおいて比類のない名演を聴かせてくれているところだ。

もっとも、もともとはフランス人指揮者として、フランス音楽にも素晴らしい名演を聴かせてくれていたことも忘れてはならない。

本演奏などもその代表的な名演の一つであり、それどころか、特にサン・サーンスの組曲「動物の謝肉祭」については、オーケストラバージョンによる演奏としては、同曲の他の指揮者による様々な演奏の中でもトップの座に君臨する至高の超名演と高く評価したい。

本演奏は、どこをとってもセンスの塊と言える。

まさにフランス音楽の粋でもあり、これほどまでにフランス風のエスプリに満ち溢れた瀟洒な味わいに彩られた演奏は、他の楽曲の演奏においてもなかなかお目にかかることはできないのではないだろうか。

指揮者であるプレートルはもちろんのこと、パリ音楽院管弦楽団のミシェル・デボスト(フルート)やロベール・コルディエ(チェロ)といったソリストをはじめとする各奏者、アルド・チッコリーニ及びアレクシス・ワイセンベルクの両ピアニストが、実に楽しげに音楽を奏でている趣きがあり、加えて前述のようなフランス風の瀟洒な味わいによる名演奏も相俟って、まさに珠玉の音楽が構築されていると言っても過言ではあるまい。

各曲の描き分けの巧みさは、巨匠プレートルならではの圧巻の至芸であり、その語り口の巧さは見事という他はない。

併録のプーランクの組曲「典型的動物」は、サン・サーンスの組曲「動物の謝肉祭」のように有名な楽曲ではなく、同曲異演盤が少ないだけに貴重な演奏だ。

本演奏においても、フランス風のエスプリ漂う洒落た味わいは健在であり、前述の各奏者による名演奏や、プレートルの演出巧者ぶりも相俟って、素晴らしい名演に仕上がっていると高く評価したい。

音質は、1965〜1966年のスタジオ録音であるが、楽器編成が必ずしも大きくないこともあって、EMIにしては従来盤でも十分に合格点を与えることが可能な良好な音質であった。

しかしながら、その後、ARTリマスタリングが施されるとともに、数年前にHQCD盤が発売されるに及んで、かなり良好な音質に生まれ変わった。

したがって、筆者としては当該HQCD盤をこれまで愛聴してきたが、今般、ついに待望のSACD化が図られるに及んで大変驚いた。

鮮明さ、音場の拡がり、そして音圧のいずれをとっても一級品の仕上がりであり、あらためてSACDの潜在能力の高さを思い知った次第だ。

いずれにしても、プレートル&パリ音楽院管弦楽団によるセンス満点の超名演をSACDによる極上の高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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2013年09月07日


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フランスの巨匠指揮者の1人であったマルティノンは、例えば、ウィーン・フィルとともにチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」の名演(1957年)のスタジオ録音を遺しているなど、広範なレパートリーを誇っていたが、それでもそのレパートリーの中軸に位置していたのはフランス音楽であった。

ドビュッシーやラヴェルの管弦楽曲集などは、今なおマルティノンの代表的な遺産の1つとして高く評価されているが、本盤に収められたサン=サーンスの交響曲全集の演奏も、そうしたマルティノンの貴重な遺産である。

マルティノンは、この全集のうち、交響曲第3番については、本演奏(1975年)の5年前にも、フランス国立放送管弦楽団とともにスタジオ録音(1970年、仏エラート)を行っている。

当該演奏も、サン=サーンスの名声をいささかも貶めることのない名演であったが、EMIにスタジオ録音を行ったフランス国立管弦楽団との本演奏こそは、録音面などを総合的に考慮すると、より優れたマルティノンによる代表的名演と評価したいと考える。

それにしても、フランス音楽の粋とも言うべき洒落た味わいと華麗な美しさに溢れたサン=サーンスの魅力を、単なる旋律の表層の美しさのみにとどまらず、演奏全体の引き締まった造型美などをいささかも損なうことなく描出し得た演奏は、フランス人指揮者によるものとしては稀少なものと言えるところであり、諸説はあるとは思うが、本演奏こそは、サン=サーンスの交響曲演奏の理想像の具現化と評しても過言ではあるまい。

マルティノンは、サン=サーンスの音楽的内容と様式を完全に手中に収めており、演奏は彼の尖鋭な感覚と明晰な造形性の美点が映え、しかも風格豊かだ。

特に交響曲第3番では、マルティノンの知的かつ洗練されたアプローチが、重厚で重々しさを感じさせる演奏が多い中においては清新さを感じさせると言える。

第1楽章第2部の悠揚迫らぬ音楽は見事としか言いようがなく、第2楽章第2部は実に堂々としている。

特における終結部に向けての畳み掛けていくような気迫や壮麗な迫力は、ライヴ録音を思わせるような凄絶な力が漲っているとも言えるところであり、本演奏は、様々な名演を遺してきたマルティノンの最高傑作の1つと称してもいいのではないだろうか。

もっとも、重厚にして引き締まった造型美においてもいささかも不足はないところであり、いい意味での剛柔のバランスのとれた素晴らしい名演と高く評価したい。

マルティノンに率いられたフランス国立管弦楽団も、いかにもフランスのオーケストラならではの洗練された色彩と感覚美をもった演奏を繰り広げている。

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2012年12月12日


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驚天動地の素晴らしい高音質だ。

ユニバーサルがSACDから撤退して久しいし、最近ではSACDの提唱者であったソニーまでが、Blu-spec-CDでお茶を濁そうという悲しい状況にあり、ネット配信が急速に普及する中で、このままではCDは絶滅に向かって只管突き進んでいくのではないかという危惧を抱いていた。

このような中で、ユニバーサルがSACDの発売を再開したというのは、非常にインパクトのある快挙であると言える。

ハイブリッドではなく、シングルレイヤーによる発売であるというのも、CDをできるだけ鮮明な音質で鑑賞したい心ある真摯な聴き手を大事にするという、メーカーの姿勢がうかがえて大変うれしいことだと思う。

本盤のメインのサン=サーンスの交響曲第3番は、オルガンやピアノが導入される大編成の楽曲だけに、SACD&SHM−CD化による威力は目覚ましい。

第1楽章の第2部や第2楽章第1部のオルガンやピアノとオーケストラの各楽器の分離の良さは、これまでのCDでは聴けなかったような鮮明さだ。

第2楽章第2部のオルガンのド迫力は、音が割れることなく、ずしりとした重心の低い重量感溢れる音が鳴り切っており、終結部の大編成のオーケストラによる最強奏の箇所も、各楽器が見事に分離しているのには正直驚いた。

その他の併録作品も見事な音質であるが、特に、『死の舞踏』のソロ・ヴァイオリンの艶やかな響き方には唖然とした。

さて、肝心の演奏内容であるが、『オルガン付き』は、録音当時まだ33歳だった若き日のバレンボイムならではの果敢な表現意欲に驚かされる渾身の名演と言える。

清浄なアダージョ部分にさえ張り詰めた気迫を感じさせるアプローチは常に緊張感にあふれ、それだけに終楽章で一気に解放される爆発的な高揚が比類がなく、シャルトル大聖堂で別収録されたオルガンの荘厳なサウンドと相まって輝かしい効果を上げている。

シカゴ響の強大なパワーには心底驚かされるが、背景にあるのはやはり当時のバレンボイムならではの劇的なものや壮大なものへの希求の強さにあるとみるべきであろう。

カップリングは、人気曲『バッカナール』と、『ノアの洪水』の前奏曲、『死の舞踏』というもので、こちらはパリ管の色彩豊かな響きが楽しめる内容となっている。

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2012年11月25日


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サン=サーンスのピアノ協奏曲集は、知る人ぞ知る名曲だと思う。

サン=サーンスの協奏曲といえば、ヴァイオリン協奏曲第3番やチェロ協奏曲第1番が非常に有名であり、前者についてはフランチェスカッティ、チョン・キョンファ、後者についてはロストロポーヴィチ、デュ・プレの名演によって、広く知られている。

それに対して、ピアノ協奏曲の知名度は不当に低いと言わざるを得ない。

録音の点数も、あまり多いとは言えない。

サン=サーンスならではの美しい旋律とフランス風のエスプリに満ち溢れた魅力作揃いだけに、大変惜しい気がする。

全集としては、チッコリー二、コラール、ロジェなどが名盤として知られるが、ここに本盤のマリコワによる名演が加わったのは何と言う幸せだろう。

本盤の売りは3つ。

1点目は、ドイツのオーケストラを使用した初めての全集ということだ。

サン=サーンスは、かなり多くの識者(例えばチャイコフスキーなど)が論じているように、ドイツ音楽をフランス風にアレンジして、フランス音楽の独自性をいかに発揮させるのかといった点に腐心していた作曲家であり、作品にもそのようなドイツ音楽の影響を随所に感じさせる面がある。

ピアノ協奏曲にもドイツ音楽風の重厚さが随所に含有されており、T・ザンデルリンク&ケルン放送交響楽団は水を得た魚の如く、実に重厚でシンフォニックな演奏を行っているのが素晴らしい。

2点目は、マリコワの女流ピアニストならではの繊細にして優美なタッチ。

これぞフランス風のエスプリ漂う瀟洒な雰囲気で満たされており、重厚なドイツ風のオーケストラ演奏とのベストマッチングぶりが見事である。

3点目は、SACDマルチチャンネルによる極上の高音質録音であり、これ以上は求められないような鮮明な音質が最高だ。

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2010年12月03日


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サン=サーンスの交響曲を代表する名作であるこの第3番は、フランス的なエスプリや軽妙で粋な表情の魅力などに溢れた作品であるが、作品のそうした側面を描き切った純粋にフランス風といえる名演には意外に恵まれていないのが実情である。

クリュイタンス、パレー、ミュンシュなどの録音も一流の名演ではあるが、いまひとつ表情が重すぎたりするきらいがあり、作品の明晰でスマートな美を完全に表現しているとはいいがたい。

このマルティノン盤は、そのような中にあって唯一の例外といえる演奏であり、マルティノンのフランス人ならではのダンディで洗練された美学は、この作品のフランス的芳香を最も本来的にリアリゼしているのである。

この作品はフランス音楽にしては珍しく、きわめてしっかりとした造型をもっているが、マルティノンの指揮は、そうした性格を生かしながら、サン=サーンスの音楽の流麗な旋律線を大切にしている。

歯切れのよいリズムで、各部分を明快率直に表現しており、思う存分旋律を歌わせているのも素敵だ。

オルガンにマリー=クレール・アランを起用しているのも魅力。

フランクは現在もなお、この交響曲の洗練度の高さと崇高な空気を隈なく再現した最も規範的な演奏のひとつといいうるものであろう。

そこに余剰な劇性や誇張がまったくなく、終始一貫よどみなく、明快かつ流麗な曲運びが示されている。

そこから立ちのぼってくるフランス的な気品と芳香がまことに素晴らしく、聴き返すにつけ、この交響曲の最も魅力的な姿を見事な手腕で伝えた名盤という感を強くする。

そこには、洗練されたフランス的な感性とともに、作曲家がみせた構成的な意欲が示され、この作品の土壌が明確に描き出されている。

演奏全体の感触はまさに端整で知的、軽妙さと洒脱さを諸所にちりばめたマルティノンならではのもの。

柔軟な表情、典雅な響き、品位に富んだ陰影、しかも作品の本来のスタイルを真正面から捉えた棒さばきである。

正攻法ゆえの極上の美がここにもある。

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2010年07月30日


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1948年生まれのフランスのピアニスト、コラールは、最初フォーレのスペシャリストとして注目をあびた。

そうしたことからもわかるように、コラールの演奏の特徴である、知的で品のよい表現と明澄な音色とがここでも生かされ、これらの作品のもつ洗練された感覚と華やかさを、明快なタッチであますところなく再現している。

サン=サーンスのピアニズムの世界を過不足なく表出した、模範的な演奏だ。

サン=サーンスのピアノ協奏曲はロジェの名盤があるが、このコラール盤もそれに肩を並べるもの。

ロジェの演奏がサン=サーンスを超えようとしているのに対して、コラールはサン=サーンスそのものをストレートに表出してゆく。

コラールは無理のないフォルティッシモ、無理のない緊迫感がいかにも音楽性満点であり、軽妙なリズムや洒落た色合いを生かしつつ薄味になることがない。

もうひとつ追求が欲しい気もするが、それだけ万人向きといえよう。

第3番ではコラールのタッチは谷川の清水のように澄んでおり、明確かつ精妙である。

第4番第2楽章の後半など、ノリにノッていて素晴らしい。

第5番も水っぽくなる一歩手前で瑞々しさを保っており、フランスの香りが詩情を伴って流れ、満足させてくれる。

プレヴィン指揮のオーケストラも充実しており、ソロをもりたてて好演しており、重厚ながら楽しさを失うことがない。

喚起力に富んだプレヴィンの音づくりが、コラールの力感溢れるソロを見事にサポートするさまは、絶妙のコンビネーションというべきだろう。

ことに弱音部がこよなく美しい。

協奏曲以外も好演で、「アフリカ幻想曲」でのコラールの鮮やかな音色とタッチは極上の出来だ。

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2010年05月22日


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意外にも、カラヤンはフランス音楽を得意とし、名演も数多く残しているが、カラヤンのサン=サーンスはこの1タイトルのみというから、貴重な遺産だ。

デジタル録音が一般化してきた1981年の収録。

おそらく高音質がもっとも効果を発揮する作品として選ばれたのであろう。

演奏は、まさにカラヤン的といえるもので、幾何模様のようにさっぱりと整理されたサン=サーンスの楽譜が、驚くばかりに重くたてこんだ響きをたててうなる。

当時のベルリン・フィルの雄弁な表現力が随所で生かされ、カラヤンの語り上手な音楽作りが大きな効果を発揮。

磨きに磨いたオケの輝きや、大きな息遣いで広がる長大なフレーズの処理などカラヤンならではの世界。

フランスのオーケストラの輝かしい響きとは一線を画するものの、しっとりとした色合いによるサン=サーンスもきわめて魅力的だ。

また、作品が持つ明晰な構成も的確に描き出されている。

カラヤンの指揮で特筆されるのは、作品の理解力の奥深さと重厚に歌われる演奏のスケール感の素晴らしさであり、ここに聴く演奏も、あくまでも交響曲としての魅力を追求した姿勢が一貫している。

フランス最高の交響曲をピラミッド型に構築した立派な演奏であり、威容を誇っている。

オルガンは別録りで、ピエール・コシュローがパリのノートルダム寺院の楽器を弾いたものが合成されている。

当時の最先端の録音技術が駆使された1枚。

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2010年05月13日


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ここにきくサン=サーンスのチェロ協奏曲、およびラロのチェロ協奏曲は1980年に、シューマンのチェロ協奏曲は1985年に録音されている。

ヨーヨー・マはデビュー以来、一貫して音楽界の第一線に在り、今日でも活動は目覚ましいが、音楽的に最も好ましい状態にあったのは1980年代だったのではないかと私は考えている。

最近の彼は自らの器用さ、多才さに、やや足もとを掬われがちのように思う。

ここにきく彼のチェロはしなやかで、フレッシュ。ききなれた曲にもかかわらず、随所に思いがけないような発見をもっている。

他のチェリストが容易になしえないような軽やかな身のこなしが、なんともすばらしい。

サン=サーンスは高貴で上品な音色、しっかりとしたカンタービレやフレージングに驚かされる。

それは曲のいかなる部分も自分の思い通りに弾けるテクニックの勝利だが、同時に最高の音楽性が裏付けになっているのだ。

マの繊細で上品な音色は、このサン=サーンスの作品には、まさにぴったりといえよう。

ラテン的な味わい、という点では、いまひとつであるが、そのみずみずしい表現には魅了されてしまう。

ラロはさらに見事で、マは、抜群のテクニックを駆使しながら、この曲のもつ優美で繊細な性格を、見事に表現している。

優美さの中にこくをもった音色と表情、曲想にしたがって微妙に色合いを変えてゆくあたりは、聴いていて身を乗り出してしまうほどだ。

マの演奏の特色である、多彩に変化させた音色や、微妙な表情づけが、うまく生かされた演奏だ。

指揮者マゼールも、個性的な独奏者の才能にうまく対応し、整理が行き届いた敏感な棒さばきだ。

コリン・デイヴィスとのシューマンは、ミュンヘンでのライヴ録音である。

マは、過度な表現は避けながら、のびやかな、美しい音色で、シューマンの音楽のもつやわらかな情感を、見事に表現している。

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2010年05月02日


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レヴァインは天下のベルリン・フィルを駆使して、交響曲としてのプロポーションを明らかにした、古典的な構成感を打ち出した最上級の演奏といえる。

レヴァインは、作品を客観的に捉えた、壮麗な建築物でも見るような演奏を聴かせている。

ゆとりのあるテンポと幅広いダイナミックレンジをもった恰幅の良い演奏で、常にヒューマンな味わいが感じられる。

演奏全体に積極性が感じられ、激しい高揚感とドラマティックな気迫があるし、ベルリン・フィルの機能性も遺憾なく発揮された、堂々として壮麗な演奏である。

レヴァインの指揮は、古典的様式感に、ロマンティックな感情の高揚をバランスさせて、見事な様式美を見せている。

第1楽章はメリハリに富み、雄大で、精密さと線の太さが共存している。

第2楽章のアンサンブルも素晴らしい。

最後の部分ではオルガンの壮麗な響き、主題のチャーミングで堂々とした響きもレヴァインならではのもの。

ベルリン・フィルの豊麗な響きのおかげもあって、外面的効果の点では他に並ぶものがなく、特に最終部分の盛り上げ方は圧倒的。

「魔法使いの弟子」も精緻な表現がつくられており、滅多にない秀演である。

いずれの曲もデュトワに比べるとよりインターナショナルな表現で、硬派のイメージが強いが、多くのファンに受け入れられるのはこうした演奏なのかもしれない。

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2010年04月28日


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サン=サーンスのピアノ協奏曲は以前はコンサートでかなり頻繁に取り上げられていた記憶があるが、このところ、お目にかかる回数がめっきり減ってしまった。

協奏曲にも流行廃りの波がはっきりあるらしい。

いまや、現役のディスクも新録音も少ないが、サン=サーンスのピアノ協奏曲は、フランス近代音楽のレパートリーのなかにきちんと残しておきたいもの。

ここで紹介するロジェの演奏は、約30年前の録音だが、サン=サーンスの協奏曲のいわば定番的な存在。

パスカル・ロジェは、1951年生まれのピアニストで、フランスものを弾かせたら、抜群のうまさをもっている。

ここでも、超絶的な技巧に支えられて、多彩な表情で弾きあげていて、素晴らしい。

ロジェは少しばかりワリを喰っている感じがあるピアニストだ。

野球選手にたとえるなら、ロジェはコンスタントに高打率を残し、守備も堅実だが、派手に大ホームランをかっ飛ばしたり、美技で大向こうをうならせるタイプではない。

実力に比し、その存在が地味になりがちである。

そうしたロジェの好ましい持ち味は、たとえばここに聴くサン=サーンスの音楽といった、ある種ヴァーサタイルな視野を必要とするような場合には最大限の効果を発揮する。

この協奏曲は無闇と巨匠風に弾いたり、通俗的になってはダメ。きちんとした音楽性を必要としている。

ロジェはその点をよくわきまえているといえよう。

サン=サーンスのピアノ協奏曲は、さっぱりと弾かれてしまうことが多いが、このロジェの演奏にはコクがあり、心の裏付けを伴ったセンスの良さが最高だ。

タッチも腰が強くて、手応え満点である。

デュトワの指揮も敏感を極め、第4番の名演は彼のセンスの良さと絶妙な表現によるサポートに助けられたものだ。

全曲を通じてのカンタービレの美しさ、情熱、ニュアンスの妙など、例をあげればきりがない。

軽やかなタッチと色彩感がサン=サーンスのピアノ書法を浮き立たせている。

第5番ヘ長調《エジプト風》に見られる異国情緒豊かな表現も魅力的である。

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2009年06月15日


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この曲は壮麗なスペクタクルを強調するか、サン=サーンスのフランス音楽家としての精緻さにポイントを置くかで選択の範囲が自ずから決まる。

壮麗な音の大伽藍を味わおうというなら、オーマンディ指揮フィラデルフィア管の4回目の録音が最高だろう。

フィラデルフィア・サウンドは、あくまでも輝かしくダイナミックで、サン=サーンスの音楽の醍醐味を満喫させてくれよう。

音響効果が最大限に生かされ、豊かなファンタジーと華麗なサウンドが耳に快く、オルガンの響きも相当なパワーで再現されている。

さらにテラークの録音技術が素晴らしく、広いダイナミック・レンジと、歪みのない透明な音質で、実に気持ち良く曲に浸ることができる。

そしてオーマンディの指揮は、ただ輝かしく壮麗に盛り上げるだけでなく、第1楽章の第2部など、しみじみとした抒情を美しく歌い上げ、この巨匠の円熟の境地が存分に味わえる。

オーマンディの巨匠的風格が前面に押し出された演奏で、第1楽章ではゆとりのあるテンポをとって、旋律をのびやかに歌わせている。

第2楽章はすこぶる華々しい緊迫感をともなって、サン=サーンスの精妙な管弦楽法を巧みに表現している。

全体に各部分の構造の意味を的確に把握した表現で、無用な力みや誇張はいささかもない。

フィラデルフィア・サウンドも豊かさの中に美しい陰影感を示し余すところがない。

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2009年02月14日


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この両曲は現在でも掛け値なしの美演といいうるグリュミオーのヴァイオリンを推したい。

フランス音楽のまさに本道を行く彼の演奏には、流麗感、洗練、センス、音の美しさ、屈託のなさのすべてがあるといってよいだろう。

ラロの演奏には、「スペイン交響曲」というタイトルどおり、スペイン的な民族色を強烈に打ち出したものと、作曲者のフランス的なデリカシーに重点をおいた、二通りの演奏スタイルがあるが、グリュミオーは、その後者のフランス風のスタイルである。

デリケートで粋な純フランス風の演奏だ。

そのため、スペイン風の濃厚な味わいや豊麗な音色を求めることはできないが、これほど上品で線が細く、女性的で小味なラロは例がない。

全体に軽妙さと熱っぽさを兼ね備えた、きわめて美しい音色の演奏で、ことに、第1、5楽章の激しさ、第4楽章の抒情的な味はすばらしい。

ロザンタール指揮のラムルー管弦楽団は、金管を強奏する乾いた響きがいかにもラテン的、センスのよい伴奏だ。

サン=サーンスはすこぶる美麗な音色を生かしながら、この曲の上品で格調の高い性格を、存分にひき出した演奏である。

いかにもグリュミオーらしい、小味で柔らかなサン=サーンスである。

音色は美しく、心をそそるヴィプラート、憧れに満ちたカンタービレ、そして特に人なつっこく肌をなでてゆく春風のように優しいレガートは彼の独壇場であり、フィナーレにおける粋で洒落たテーマの奏出に最も良い例が聴ける。

サン=サーンスの曲は、どんなに美音で演奏しても、その表情にエレガントな味付けがなければ、さまにならない。

グリュミオーは、そうしたセンスの良さを発揮しながら、親しみやすいメロディーを優雅に歌わせている。

やや華やかすぎるところもあるが、聴きばえのする演奏だ。

それにロザンタール指揮のオーケストラが非常にセンス豊かだ。

「序奏とロンド・カプリチオーソ」でもグリュミオーの演奏は、いくぶん線は細いものの、その音色の美しさでは、ずばぬけている。

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2008年12月09日


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ボストン交響楽団は、ミュンシュによって彼らの黄金時代を築いた。

いっぽうでアンサンブルの規律が弛緩したというきびしい意見もあるが、ミュンシュの健康で輝かしい、豪壮な力感をもった音楽は、やはり空前絶後の芸術を生み出したといってよい。

このサン=サーンスの「オルガン付き」は、そうした彼らの代表的名盤のひとつである。

もちろん、ミュンシュとしても最盛期の演奏であるだけに、きわめてスケールが大きく、激しい生命力が噴出するように示されている。

この指揮者らしい、細部にこだわらない率直な表現が好ましいが、2つの楽章ともにオルガンが導入される後半は、強い共感にあふれ、聴き手を感動させずにはおかない。

すなわち、第1楽章ではやや遅めのテンポでたっぷりと旋律を歌わせており、第2楽章の後半は光彩渦巻く壮麗な響きの嵐を体感させてくれる。

ボストン交響楽団の演奏も絹のようになめらかな弱音から、響きが豪快に屹立するトゥッティの効果まで、彼らの全力を傾けたアンサンブルを聴かせる。

もちろん、サン=サーンス特有の対位法の処理は明快そのものである。

作品の独自の書法とおもしろさが、強い説得力をもって表わされている。

こうした曲なので、録音効果も非常に重要である。この場合、一般のCD(RCA)とXRCDの高音質盤(ビクター)の2種があるが、演奏まで新鮮に聴かせてしまう後者が、断然おすすめである。

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2008年11月12日


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LP初期の名盤で、2曲ともフランチェスカッティの唯一の録音。

全盛期のフランチェスカッティの美音が時代を超えて迫ってくる演奏で、おそらく彼のベストCDといえるだろう。

その耽美的な音色は聴き手をぞくっとさせるものをもっている。

パガニーニには往年のクライスラーを豊麗にしたような歌の陶酔があり、サン=サーンスには水もしたたるばかりの蠱惑がある。

フランチェスカッティに対するわが国での認識と評価は、必ずしも当を得たものであったとは思えない。

彼の音の艶やかさと響きの均質な美しさは、20世紀前半からのヴァイオリニストたちの中でも出色であり、その演奏は、音域による響きの不均衡などはまったく考えられない。

そして、それを基盤とした音楽表現が、充分に、しかもきわめて自然に展開されているために、かえって聴く人への印象が強烈なものになっているところもある。

彼のすぐれた録音は、かなり数多く残されているが、ミトロプーロス/ニューヨーク・フィルとのサン=サーンスの第3協奏曲は、その特質が巧まずして生かされているという点で、やはり傑出したひとつといえる。

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2008年11月11日


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C=デイヴィスの「サムソンとダリラ」は、コヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラの音楽監督時代から定評があり、このグランド・オペラとオラトリオ的性格とが折衷されたような異色のオペラに最適の指揮者だろう。

C=デイヴィスの指揮は、現代的で、テンポのよい運びで、劇的に表現していて、素敵だ。

C=デイヴィスの指揮は、バイエルン放送響と合唱団を徹底的に磨き上げ、その響きに高度の洗練性を与え、サン=サーンスの音楽の一面である古典的美観と、このオペラのエキゾチックな色彩感、官能性のすべてを過不足なく描き出している。

バルツァのダリラが、妖艶で、ふるいつきたくなるような官能美にあふれていて魅了される。

その豊麗極まりない美声を、ダリラの妖しい官能的魅力の表現に巧みに活用している点が特筆される。

サムソンのカレーラスも、やや整いすぎている感じもしないではないが、その力強く端正な歌唱には好感がもてる。

ドラマティックな表現で、激情の高まりを巧みに歌い出している。

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2008年10月16日


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クレーメル盤は初演の際の室内楽版による演奏で、ピアノにアルゲリッチ、フレイレ、ヴィオラにT・ツィンマーマン、チェロにマイスキーといったように超豪華なメンバーを集めたものだ。

そして演奏それ自体も、各演奏家の自発性が生かされた即興性のあふれるもので、こうした作品ならではの音楽の楽しみを、リラックスした中で満喫させてくれる。

管弦楽版を含めて、これほど鮮やかで洒落ていて、楽しい演奏はないといってよいし、その違いは第1曲<序奏>のピアノのトレモロを聴いただけですぐにお判り頂けるだろう。

一人一人が存分に自分を主張して遊んでいるが、さすがは名手揃いで、その表現とアンサンブルは舌を巻くほどに見事にきまっているし、抜群の描写力もある。

また透明な美しさの中にさりげないユーモアが漂うのも耳に快い。

この作品が秘めているユーモラスな側面から、シニカルな側面、情感豊かな側面まで、すべてを余裕をもってカヴァーしきっており、間然としたところがない。

クレーメルの見事な"語り"も聴きものである。

この作品の真価を聴き知るうえで、まずは不足のない出来ばえといえよう。

他の3曲はソロと語りもので、リドの作品ではクレーメルの名人芸に接することができ、メシュヴィッツの作品ではユーモアが味わえる。

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2008年05月05日


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青少年向きの作品を集めたディスク。

ひとりでも多くの人に音楽の魅力を伝えたい、という気持ちから、バーンスタインは、1959年に「音楽のよろこび」という著書を出版した。

誰にでもよくわかるように楽しい工夫をこらした、さまざまな曲の解説をあつかったこの一冊で、彼は著作の面でも人気者になった。

3曲ともバーンスタインのあたたかな人柄のよくにじみ出た演奏で、特に「動物の謝肉祭」が楽しめる。

1曲1曲を絵画風に描きながら、それぞれの曲の面白さを十全に表出しており、そのしゃれたセンスはなんとも好ましい。

バーンスタイン自身が語りを入れた「ピーターと狼」も情景描写が巧みで後半の変化にとんだ表現のうまさは格別だし、「青少年のための管弦楽入門」も綿密に仕上げられていてよい。

それは、楽員たちの個性や自発性を巧みに生かしたバーンスタインの配慮の成果と考えられる。

とにかく聴き手を楽しませてくれる演奏であり、バーンスタインの名エンターテイナーぶりを偲ばせてくれる。

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2008年03月23日


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10曲中、7曲が16歳でのデビュー翌年の録音だが、デュ・プレはテクニックに走らず、若いにもかかわらず実にじっくりとした演奏を聴かせているのが印象的だ。

若々しい情感を直接作品にぶつけているだけに表情は率直だが、作品の持つ深みの入口に立つこと、それを全身で受け止めることを知った、ふんぎりのついた演奏である。

ここには音楽のニュアンスに食い込むような解釈や、ソリストとしての奔放な身振りはないが、作品の性格による弾き分けを心得た、ストレートな音楽性の発揮を聴くことができる。

自分の感じたなりにしばしば楽譜を超えて、豊かな息吹を込めた《歌》を愛する楽器に歌わせている。

そのようなデュ・プレのレコーディングされた演奏は、ほとんどムラのようなものがなく、どれも充実している。

デュ・プレのひくサン=サーンスの《白鳥》のよさは、ドヴォルザークの協奏曲に挑む彼女のよさに少しも劣るものではない。

よい質感の表現に接したという印象を残す演奏である。

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2008年02月07日


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サン=サーンスの第3番はチョン・キョンファのベストCDのひとつ。

この曲のフランス風のデリケートな感覚と、がっしりとした構成を、バランスよくあわせもった演奏である。

きわめて緊密な音楽づくりで、音楽の内面を深く掘り下げ、鋭く切り込んでいるのが特徴だ。

美しい音色で、情感豊かに、しかもほとばしるような情熱で弾きあげているところがすごい。

冒頭から異常ともいえる精神の充溢を実感させるその演奏は、きわめて高い芸術的感動を与えてくれる。

その表情の豊かさと大きさ、その情熱の凄まじさと生々しさ、それに対する女性的な優しさとデリカシー、まことに表現の幅が広く、以上すべてをチョン・キョンファ独特の体当たり的な弾き方で綴ってゆく。

ことに、第3楽章の有名な主題は、実にあざやかに歌わせている。

これくらい彼女の生の素晴らしさを伝えた演奏はなく、彼女の天才、その激しい情熱と雄弁な節回しを知るのには絶好のものといえよう。

フォスターの立派な立体感と音楽性も類例をみない素晴らしさだ。

現代にもこんなに精神的な演奏家が存在していることが嬉しくなるような、真の意味での名演といえる。

ヴュータンも曲は落ちるが演奏は全く同じだ。

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デュトワの「オルガン付き」は緻密な設計が素晴らしい。

性格的な表現や推移も見事で、デュトワは率直に感興を表明しており、音楽が知的に整いながらも決して冷たくなることがない。

管弦のバランス設定も極めて精緻で、巧妙だ。

モントリオール響のフランス的な感覚がよく出た演奏で、サン=サーンスの音楽のもつ色彩的な特色を打ち出した表現である。

デュトワ指揮モントリオール響は、「どのオーケストラよりもフランス的」と評されるように、透明なサウンドと精緻なアンサンブルは素晴らしく、気品の高い典雅な解釈で、あくまでこの曲がフランスの音楽であることを実感させる。

ことに素晴らしいのは木管楽器の音色で、そのデリケートな表情とまろやかな響きがオルガンと調和して、ビロードのような艶と肌ざわりをもったトーン・カラーをつくりあげている。

これほどかぐわしい気分に満ちたサン=サーンスというのも、珍しい。

サン=サーンスの音楽的本質をこれほど的確に理解した演奏は滅多に聴けるものではない。

「死と舞踏」も要所をしっかりと押さえ聴かせ所を心得た好演。

「動物の謝肉祭」は作品の多様性を明快・率直に表出し、そのまま伝えている。

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