小林 研一郎

2015年07月01日


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小林研一郎は必ずしもレパートリーが広い指揮者とは言い難いが、その数少ないレパートリーの中でもチャイコフスキーの交響曲は枢要な地位を占めている。

とりわけ、交響曲第5番は十八番としており、相当数の録音を行っているところである。

エクストンレーベル(オクタヴィア)に録音したものだけでも、チェコ・フィルとの演奏(1999年)をはじめとして、日本フィルとの演奏(2004年)、本盤のアーネム・フィルとの演奏(2005年)、アーネム・フィル&日本フィルの合同演奏(2007年)の4種の録音が存在している。

小林研一郎は、同曲を得意中の得意としているだけにこれらの演奏はいずれ劣らぬ名演であり、優劣を付けることは困難を極め、どの演奏もそれぞれに思い入れがあって優劣つけがたい。

演奏という行為が一期一会の芸術だということがよくわかるところであるが、筆者としてはエクストンレーベルの記念すべきCD第1弾でもあった、チェコ・フィルとの演奏と本盤に収められたアーネム・フィルを双璧の名演に掲げたいと考えている。

小林研一郎の本演奏におけるアプローチは、熱気と理性のバランスがとれた豊穣な表現が見事であり、例によってやりたいことを全てやり尽くした自由奔放とも言うべき即興的なものだ。

同じく同曲を十八番としたムラヴィンスキー&レニングラード・フィルによるやや速めの引き締まったテンポを基調する峻厳な名演とは、あらゆる意味で対極にある演奏と言えるだろう。

緩急自在のテンポ設定、思い切った強弱の変化、アッチェレランドやディミヌンドの大胆な駆使、そして時にはポルタメントを使用したり、情感を込めて思い入れたっぷりの濃厚な表情づけを行うなど、ありとあらゆる表現を駆使してドラマティックに曲想を描き出している。

それを支えているのが、コンセルトヘボウに匹敵する由緒ある伝統(1889年創立)を誇り、かつてはベイヌムもヴィオラ奏者として在籍したというアーネム・フィルの暖かい音色で、内声が充実した弦楽セクションの豊かさは特筆ものである。

感情移入の度合いがあまりにも大きいこともあって、小林研一郎の唸り声も聴こえてくるほどであるが、これだけやりたい放題の自由奔放な演奏を行っているにもかかわらず、演奏全体の造型がいささかも弛緩することがないのは、まさに圧巻の驚異的な至芸とも言えるところだ。

これは、小林研一郎が同曲のスコアを完全に体得するとともに、深い理解と愛着を抱いているからに他ならない。

小林研一郎の自由奔放とも言うべき指揮にしっかりと付いていき、圧倒的な名演奏を繰り広げたアーネム・フィルにも大きな拍手を送りたい。

オランダの名門、アーネム・フィルはあまり知られていないオーケストラであるが、管楽器の音色も優しく陶酔的で、隅から隅までこの曲を手中に収めた炎のコバケンの指揮ぶりに、アーネム・フィルが新鮮な思いで触発されたのだろう。

オランダ各地での演奏会を経た上の充分なセッション録音で、存分に細部も磨かれている。

いずれにしても、本演奏は、小林研一郎のドラマティックな大熱演とアーネム・フィルによる豊穣な音色をベースとした名演奏が見事に融合した圧倒的な超名演と高く評価したいと考える。

なお、併録の「くるみ割り人形」組曲は、どちらかと言うと一気呵成に聴かせる直球勝負の演奏と言えるが、語り口の巧さにおいても申し分がないと言えるところであり、名演と評価するのにいささかも躊躇するものではない。

音質は、SACD盤ということもあって、マルチチャンネルが付いているというのが、いわゆる臨場感において、群を抜いた存在と言えるだろう。

いずれにしても、小林研一郎&アーネム・フィルによる圧倒的な超名演を心行くまで満喫するためには、是非とも本SACD盤で聴かれることをおすすめしておきたい。

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2015年03月29日


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小林研一郎が古希を迎えたのを契機として進められていたチェコ・フィルとのベートーヴェンの交響曲全集のシリーズ第5弾の登場で、小林研一郎による初のベートーヴェンの交響曲全集が完成されたというのは大変うれしい限りである。

小林研一郎は、もともとレパートリーの少ない指揮者であり、新しい楽曲に挑戦する際には常に慎重な姿勢で臨むのを旨としてきた。

もっとも、ひとたびレパートリーとした楽曲については、それこそ何度も繰り返し演奏することによって、よりレベルの高い演奏を目指すべく研鑽を積んできた。

チャイコフスキーの交響曲(特に「第5」)にしても、マーラーの交響曲(特に「第1」「第5」「第7」)にしても、ベルリオーズの幻想交響曲にしても、名演が多いのはそうした理由によるところが大きい。

それはさておき、このベートーヴェン・チクルスのこれまで発売された演奏の評価は必ずしも芳しいものは言い難い。

レコード芸術誌などにおける音楽評論家による評価も酷評に近い状態にあるし、ネットにおける様々なレビューでも良い評価をされている方は殆ど稀である。

その理由を考えると、おそらくは、小林研一郎によるアプローチの立ち位置が難しいという側面があるのではないだろうか。

ベートーヴェンの交響曲の演奏は、近年ではピリオド楽器の使用や現代楽器を使用した古楽器奏法による演奏が主流を占めているが、小林研一郎はそうした近年の流行は薬にしたくもない。

それでは、これまでの独墺系の錚々たる大指揮者が築き上げてきたドイツ正統派たる重厚な演奏を希求しているのかと言うと、これまた全くそうした伝統的な演奏様式などいささかも念頭にないと言えるところだ。

このように、小林研一郎の演奏は、個の世界にあるものであり、その個性が演奏の隅々にまで行き渡ったものとも言えるだろう。

それ故に、聴き手によっては、小林研一郎の体臭芬々たる演奏に辟易するということも十分に考えられるところだ。

しかしながら、本盤に収められた「第8」は、ベートーヴェンの交響曲の中では、剛よりも柔的な要素が多い楽曲であることから、「炎のコバケン」とも称されるようなパッションの爆発は最小限に抑えられており、これまでの小林研一郎によるベートーヴェンの交響曲演奏にアレルギーを感じてきた聴き手にも、比較的受け入れられやすい演奏と言えるのではないだろうか。

もっとも「第9」のフィナーレなどには、そうした小林研一郎の途轍もない燃焼度の高さの片鱗も感じられる点は相変わらずであり、筆者が学生時代に東京芸術劇場でライヴに接した時の感動的名演を思い起こさせる。

つまるところ、没個性的な凡演や、はたまた近年流行のピリオド楽器の使用や古楽器奏法による軽妙浮薄な演奏などと比較すると、はるかに存在価値のある演奏と言えるのではないだろうか。

確かに、両曲のベストの名演とは到底言い難いが、小林研一郎一流の熱き歌心が結集するとともに、オーソドックスなアプローチの中にも切れば血が出てくるような灼熱のような指揮ぶりも堪能することが可能な、いい意味でのバランスのとれた名演と評価するのにいささかの躊躇もするものではない。

そして、小林研一郎による指揮に、適度の潤いと奥行きの深さを与えているのが、チェコ・フィルによる名演奏と言えよう。

ホルンをはじめとする管楽器の技量には卓越したものがあり、弦楽器の重厚で深みのある音色も実に魅力的というほかはない。

音質は、SACDによる極上の高音質であり、小林研一郎&チェコ・フィルによる名演を望み得る最高の鮮明な音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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2014年02月22日


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小林研一郎は必ずしもレパートリーが広い指揮者とは言い難いが、その数少ないレパートリーの中でもチャイコフスキーの交響曲は枢要な地位を占めている。

とりわけ、交響曲第5番は十八番としており、相当数の録音を行っているところである。

エクストンレーベル(オクタヴィア)に録音したものだけでも、本盤のチェコ・フィルとの演奏(1999年)をはじめとして、日本フィルとの演奏(2004年)、アーネム・フィルとの演奏(2005年)、アーネム・フィル&日本フィルの合同演奏(2007年)の4種の録音が存在している。

小林研一郎は、同曲を得意中の得意としているだけにこれらの演奏はいずれ劣らぬ名演であり、優劣を付けることは困難を極めるが、筆者としては、エクストンレーベルの記念すべきCD第1弾でもあった、本盤のチェコ・フィルとの演奏を随一の名演に掲げたいと考えている。

小林研一郎の本演奏におけるアプローチは、例によってやりたいことを全てやり尽くした自由奔放とも言うべき即興的なものだ。

同じく同曲を十八番としたムラヴィンスキー&レニングラード・フィルによるやや速めの引き締まったテンポを基調する峻厳な名演とは、あらゆる意味で対極にある演奏と言えるだろう。

緩急自在のテンポ設定、思い切った強弱の変化、アッチェレランドやディミヌエンドの大胆な駆使、そして時にはポルタメントを使用したり、情感を込めて思い入れたっぷりの濃厚な表情づけを行うなど、ありとあらゆる表現を駆使してドラマティックに曲想を描き出している。

感情移入の度合いがあまりにも大きいこともあって、小林研一郎のうなり声も聴こえてくるほどであるが、これだけやりたい放題の自由奔放な演奏を行っているにもかかわらず、演奏全体の造型がいささかも弛緩することがないのは、まさに圧巻の驚異的な至芸とも言えるところだ。

これは、小林研一郎が同曲のスコアを完全に体得するとともに、深い理解と愛着を抱いているからに他ならない。

小林研一郎の自由奔放とも言うべき指揮にしっかりと付いていき、圧倒的な名演奏を繰り広げたチェコ・フィルにも大きな拍手を送りたい。

中欧の名門オーケストラでもあるチェコ・フィルは、弦楽合奏をはじめとしてその独特の美しい音色が魅力であるが、本演奏においても、小林研一郎の大熱演に適度の潤いと温もりを付加するのに大きく貢献しているのを忘れてはならない。

いずれにしても、本演奏は、小林研一郎のドラマティックな大熱演とチェコ・フィルによる豊穣な音色をベースとした名演奏が見事に融合した圧倒的な超名演と高く評価したい。

なお、併録のスラヴ行進曲は、どちらかと言うと一気呵成に聴かせる直球勝負の演奏と言えるが、語り口の巧さにおいても申し分がないと言えるところであり、名演と評価するのにいささかも躊躇するものではない。

音質は、エクストンレーベル第1弾として発売された際には通常CDでの発売であり、それは現在でも十分に満足できるものと言える。

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2014年01月13日


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小林研一郎&チェコ・フィルによるベートーヴェンの交響曲全集のシリーズ第4弾の登場だ。

間もなく小林研一郎による初のベートーヴェンの交響曲全集が完成されるというのは大変うれしい限りである。

それはさておき、このシリーズのこれまで発売された演奏の評価は必ずしも芳しいものは言い難い。

レコード芸術誌などにおける音楽評論家による評価も酷評に近い状態であり、良い評価をされている方は殆ど稀である。

その理由を考えると、おそらくは、小林研一郎によるアプローチの立ち位置が難しいという側面があるのではないだろうか。

ベートーヴェンの交響曲の演奏は、近年ではピリオド楽器の使用や現代楽器を使用した古楽器奏法による演奏が主流を占めていると言えるが、小林研一郎はそうした近年の流行は薬にしたくもない。

それでは、これまでの独墺系の錚々たる大指揮者が築き上げてきたドイツ正統派たる重厚な演奏を希求しているのかと言うと、これまた全くそうした伝統的な演奏様式などいささかも念頭にないと言えるところだ。

このように、小林研一郎の演奏は、個の世界にあるものであり、その個性が演奏の隅々にまで行き渡ったものとも言えるだろう。

それ故に、聴き手によっては、小林研一郎の体臭芬々たる演奏に辟易するということも十分に考えられるところだ。

しかしながら、本盤に収められた第4番及び第6番は、ベートーヴェンの交響曲の中では、剛よりも柔的な要素が多い楽曲であることから、「炎のコバケン」とも称されるようなパッションの爆発は最小限におさえられており、これまでの小林研一郎によるベートーヴェンの交響曲演奏にアレルギーを感じてきた聴き手にも、比較的受け入れられやすい演奏と言えるのではないだろうか。

確かに、交響曲第6番の第4楽章などには、そうした小林研一郎の途轍もない燃焼度の高さの片鱗も感じられる点は相変わらずであるが、筆者としては、没個性的な凡演や、はたまた近年流行のピリオド楽器の使用や古楽器奏法による軽妙浮薄な演奏などと比較すると、遥かに存在価値のある演奏と言えるのではないだろうか。

確かに、両曲のベストの名演とは到底言い難いが、小林研一郎一流の熱き歌心が結集するとともに、オーソドックスなアプローチの中にも切れば血が出てくるような灼熱のような指揮ぶりも堪能することが可能な、いい意味でのバランスのとれた名演と評価するのにいささかの躊躇もするものではない。

そして、小林研一郎による指揮に、適度の潤いと奥行きの深さを与えているのが、チェコ・フィルによる名演奏と言えよう。

ホルンをはじめとする管楽器の技量には卓越したものがあり、弦楽器の重厚で深みのある音色も実に魅力的というほかはない。

音質は、SACDによる極上の高音質であり、小林研一郎&チェコ・フィルによる名演を望み得る最高の鮮明な音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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2013年12月26日


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小林研一郎が古希を迎えたのを契機として進められているチェコ・フィルとのベートーヴェンチクルスも、ついにその第3弾の登場となった。

そして、第3弾は交響曲第1番と第7番の組み合わせだ。

いずれも小林研一郎ならではの名演であるが、とりわけ素晴らしいのは第7番である。

ベートーヴェンの交響曲の中でも第7番ほど、小林研一郎向きの作品はないのではないだろうか。

70歳になって円熟の境地に達したとは言え、そこは小林研一郎。

本演奏においても、トゥッティに向けて畳み掛けていくような強靭な気迫や、切れば血が噴き出てくるような圧倒的な生命力に満ち溢れた熱演ぶりはいささかも変わっていない。

第1楽章のホルンの力感溢れる響かせ方など実にユニーク。

第2楽章の心を込め抜いた情感の豊かさも美しさの極みで、ここでも中間部でのホルンの最強奏は効果的だ。

第3楽章のトリオにおける超スローテンポによる、トランペットやティンパニを最強奏させた大見得を切った表現は濃密の極みであり、その強靭な迫力は小林研一郎の唸り声も聴こえるほどの凄まじさだ。

そして、終楽章はこれまでと同様にホルンを効果的に響かせるのが見事に功を奏しており、終結部に向けての圧倒的な盛り上がりは、小林研一郎の唸り声も相俟って、我々聴き手の度肝を抜くのに十分な圧巻の迫力を誇っている。

いずれにしても、本演奏はまさに「炎のコバケン」の面目躍如たる豪演に仕上がっていると評価したい。

他方、第1番は、第7番のように、必ずしも小林研一郎の芸風に符号した作品とは言い難いことから、小林研一郎としては随分とオーソドックスな演奏に徹しているとさえ言える。

これは、ある意味では円熟の名演と言ってもいいのであろうが、それでも緩徐楽章における心がこもった情感豊かな演奏は、いかにも小林研一郎ならではの熱き情熱を感じることが可能だ。

小林研一郎の確かな統率の下、チェコ・フィルも持ち得る実力を最大限に発揮した最高のパフォーマンスを発揮しているのが素晴らしい。

そして、本盤で素晴らしいのは、これまでの第1弾及び第2弾と同様に、SACDによる極上の高音質録音である。

特に第7番におけるホルンの朗々たる響きの美しさには抗し難い魅力に満ち溢れている。

いずれにしても、小林研一郎&チェコ・フィルによる素晴らしい名演をSACDによる高音質で味わうことができるのを大いに喜びたい。

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2013年10月16日


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2008年に発売され、名演の誉れ高かったスタジオ録音の直後に行われたライヴ録音の待望の発売だ。

スタジオ録音と比べて基本的な解釈には変更はないが、終楽章を除いてテンポが速くなっており、いかにもライヴにおいて燃えまくる「炎のコバケン」の面目躍如たる劇的な名演と高く評価したい。

第1楽章冒頭は、ドヴォルザークの指示どおりゆったりとしたテンポで開始するが、主部に入ると小林節が全開。

テンポはめまぐるしく変化し、うねるような音楽が連続する。

それでいて全体の造型にいささかの狂いもないのは、小林が「新世界より」の本質をしっかりと掴んでいるからにほかならない。

第2楽章は深沈たるテンポで情感溢れる指揮ぶりであるが、中間部の終結部分での対旋律の生かし方は実にユニークな解釈。

第3楽章は決然とした開始で力強い解釈であるが、特に、終結部の盛り上がりはいかにも小林ならではのド迫力だ。

終楽章も小林ならではの熱狂的な指揮ぶりで、小林のうなり声もついに頂点に達する。

演奏終了後の聴衆の熱狂、そしてスタンディングオベーションも当然のことのように思われる。

それにしても、これだけ個性的な解釈を示した小林に、ぴたりと付いていったチェコ・フィルの好演も特筆すべきである。

むしろ、チェコ・フィルの小林への絶大なる信頼感がこれだけの名演を成し遂げることに繋がったと言えるのではないか。

録音は、マルチチャンネルはないもののSACDによる極上の音質であり、エクストンとしてもかなりの成功例と言える名録音である。

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当日演奏会は、同曲を引っさげた欧州演奏旅行からの凱旋公演であった。

22年前の録音であるが、小林の数少ないレパートリーの中でも得意の曲だけに、既に小林の個性が全開の名演と言うことができよう。

小林のマーラーの「第5」の名演として第一に掲げるべきは、本盤の数年後にチェコ・フィルと録音された名演であると考えるが、当該名演と比較しても、本盤は決して優るとも劣らぬ名演と高く評価したい。

どこをとっても切れば血が出るような熱気が漲っており、テンポもめまぐるしく変化するが、いささかのあざとさも感じさせないのは、小林が、マーラーの「第5」を深く理解しているとともに、同曲への深い愛着にほかならないと言える。

特に、最後のコラールからコーダにかけてのテンポ設定は、実によく計算されていると思う。

当時の小林は、全集を作る人間ではなく、惚れた曲だけを指揮する指揮者であったが、振る曲は本当にこだわりの逸品だった。

22年前の録音を一昨年になって再発売したのは、小林の生誕記念の年ということもあるが、かつての名演をSACD(高音質)化するという点でそれなりに意義のあることと考える。

そして、その音質であるが、見事というほかはない。

金管楽器は朗々と鳴り響き、低弦の厚みも重厚さの極み。

各楽器の分離も、さすがはSACDならでは鮮明さであり、ダイナミックレンジの幅広さも、従来CDとは比較にはならない素晴らしさだ。

音質が鮮明になった分、日本フィルの奏者のミスや小林のうなり声が目立つようにはなったが、本名演の評価を貶めるような結果にはいささかも陥っていない。

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チャイコフスキーの「第3」の演奏史上、最高の王座に君臨する至高の超名演と高く評価したい。

「第3」は、チャイコフスキーが作曲した交響曲の中でも最も不人気であり、後期の偉大な3大交響曲の直前の交響曲ということもあって、チャイコフスキーの番号付きの交響曲の中でも最大規模を誇る意欲作であるにもかかわらず、作品の質においても見るべきものがないというのが専らの定評であった。

しかしながら、小林の演奏を聴いていると、そのような不人気は演奏のせいではないかと思えてくる。

それくらい小林の演奏は見事であり、不当に評価の低い「第3」の魅力を再認識させることに成功したという点においても、本名演は高く評価すべきである。

第1楽章からして、小林はうなり声を発して燃えまくる。

とてもスタジオ録音とは思えない凄まじさであり、切れば血が出てくるような生命力に満ち溢れている。

第2楽章は、同じような旋律が繰り返される、悪く言えば冗長な楽章でもあるが、小林の手にかかるとそのような冗長さなど微塵も感じられない。

どこをとっても血の通った情感溢れる音楽が紡ぎ出されていく。

そして本名演の白眉は第3楽章。

この情緒豊かな熱い演奏は、あたかも小林が得意としたマーラーの緩徐楽章のような高踏的な美しさを誇っている。

第4楽章も実に細やかに精緻に表現していく繊細さが見事であり、終楽章は、まさに、「炎のコバケン」の面目躍如たる劇的な表現が連続する。

録音も、マルチチャンネルはないものの、SACDによる極上の高音質であり、小林の超名演を鮮明に味わうことができることを大いに喜びたい。

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小林は決してレパートリーの広い指揮者ではない。

しかしながら、レパートリーとして選ばれた限られた楽曲については、何度も繰り返して演奏(録音)して、その解釈を極めて行こうとする。

そのような小林にあって、チャイコフスキーの交響曲は、その限られたレパートリーの中核をなす最重要の作品と言えるだろう。

既に、日本・フィル、チェコ・フィルと2度にわたり全集を完成しているが、現在ではアーネム・フィルとの全集録音を開始した。

当該全集に含まれる本盤の「第4」は、過去の2度の全集や番外編であるライヴ録音を経て、4度目の録音に当たるが、おそらくは小林のこれまでの「第4」の演奏中、最高の名演であると評価したい。

第1楽章の序奏部のファンファーレは中庸のテンポであるが、主部の第1主題は実に遅い。

しかしながら、決してもたれるということはなく、彫りの深いコクのある表現をしているのが印象的だ。

第2主題の心の込め方も尋常ならざる美しさであり、展開部の冒頭のファンファーレ主題が繰り返される箇所の劇的な表現は凄まじい迫力だ。

第2楽章は中庸のテンポで開始するが、中間部のメランコリックで濃厚な抒情は、これぞロシア音楽の粋と言えよう。

第3楽章はゆったりとしたテンポをとるが、これほど内容の濃い表現は他に類例を見ないほどだ。

終楽章は決然とした力奏で開始するが、終結部の猛烈なアッチェレランドの凄まじさは、これぞ「炎のコバケン」の面目躍如たるものであろう。

録音は、SACDによる極上の高音質であり、マルチチャンネルがないにもかかわらず、これほどまでに臨場感溢れる音響がするのは実に素晴らしいことだ。

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2013年07月07日


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古希を迎えた小林研一郎がチェコ・フィルとともに開始した、ベートーヴェンの交響曲チクルスの第2弾の登場だ。

今回は、「第2」と「第5」の組み合わせであるが、前回の「エロイカ」と同様に、素晴らしい名演と高く評価したい。

特に、「第5」は、いかにも「炎のコバケン」の面目躍如たる圧倒的な豪演と言える。

第1楽章の冒頭からして、凄まじい緊迫感に満ち溢れている。

その後も畳み掛けていくような気迫と力強さが漲っており、トゥッティに向けて遮二無二突き進んでいく推進力は、圧巻の迫力を誇っている。

第2楽章は変幻自在のテンポ設定や思い切った強弱の変化を駆使して、誰よりもドラマティックな表現を行っているのが素晴らしい。

副旋律の響かせ方について工夫を凝らしたりするなど個性的な表現が連続するが、他方、むせ返るような情感の豊かさは、小林研一郎の熱き心を体現していて実に感動的だ。

第3楽章の低弦の響かせ方も楽曲の心眼に切り込んでいくような凄みがある。

そして、終楽章は、本演奏の白眉。

楽曲の頂点に向けて、溢れんばかりの生命力で盛り上っていくような力感のある演奏を繰り広げ、小林研一郎のうなり声とともに圧倒的なクライマックスのうちに全曲を締め括っている。

「第2」も素晴らしい名演だ。

冒頭から切れ味鋭いテンポと彫りの深い表現で聴き手を魅了する。

とりわけ第2楽章は、小林研一郎の熱き歌心が結集しており、その至純の美しさには抗し難い魅力に満ち溢れている。

そして、小林研一郎による切れば血が出てくるような灼熱のような指揮に、適度の潤いと奥行きの深さを与えているのが、チェコ・フィルによる名演奏と言えよう。

ホルンをはじめとする管楽器の技量には卓越したものがあり、弦楽器の重厚で深みのある音色も実に魅力的というほかはない。

いずれにしても、両演奏ともに小林研一郎とチェコ・フィルの抜群の相性の良さを感じさせる名演であり、今後のベートーヴェンの他の交響曲の演奏に大きな期待を抱かせるものと言える。

録音は、SACDによる極上の高音質であり、小林研一郎&チェコ・フィルによる素晴らしい名演を望み得る最高の鮮明な音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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2013年04月27日


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小林研一郎がついにベートーヴェンの交響曲全集に着手した。

小林研一郎は、もともとレパートリーの少ない指揮者であり、新しい楽曲に挑戦する際には常に慎重な姿勢で臨むのを旨としてきた。

もっとも、ひとたびレパートリーとした楽曲については、それこそ何度も繰り返し演奏することによって、よりレベルの高い演奏を目指すべく研鑽を積んできた。

チャイコフスキーの交響曲(特に「第5」)にしても、マーラーの交響曲(特に「第1」、「第5」、「第7」)にしても、ベルリオーズの幻想交響曲にしても、名演が多いのはそうした理由によるところが大きい。

ベートーヴェンについては、これまで何度か演奏したことはあるのだろうが、既発CDは日本フィルとの「第9」のみ(2005年)(ライナーノーツの平林氏の解説によると、「エロイカ」のLPがあったようであるが未聴)。

したがって、今般の全集は、70歳という古希を迎えた小林研一郎が満を持して臨む一大プロジェクトと言えるだろう。

第1弾は「エロイカ」ということであるが、今後の続編に大いに期待できる素晴らしい名演と高く評価したい。

テンポは意外にも非常にゆったりとしたものであるが、随所にテンポの変化や思い切った強弱を施すなど、とても一筋縄ではいかない。

小林研一郎ならではの生命力溢れる畳み掛けていくような力強さも健在である。

また、重心の低い潤いのある音色が全体を支配しているのも本名演の魅力の一つであり、木管楽器や金管楽器(特にホルン)なども抜群の上手さを誇っていると言える。

これは、小林研一郎の圧倒的な統率力もさることながら、チェコ・フィルの類稀なる力量によるところも大きいと考える。

SACDによる極上の高音質録音も、本名演に華を添える結果となっていることを忘れてはならない。

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2012年02月15日


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既に指揮の小林研一郎はチェコ・フィルと組んでこれまでも数枚のCDを出しているが、スメタナの《わが祖国》はチェコ・フィルにとっては母国語で語る音楽であり特別な意味があることを思うと、結局小林が彼らから多大の音楽的信頼を得ていると言うことになろうか。

チェコの人達にとってこの曲集は国歌以上に愛着があると言われており、事実これまでチェコ・フィルのチェコ人以外の指揮者との録音はなかった。

それゆえ、この新録音ではチェコ・フィルの楽員たちの小林研一郎への信頼の高さをうかがい知ることができる。

実際この演奏を聴いてみると小林が恣意的にこの曲から何か新しい表現を作り出そうとしているのではなく、チェコ・フィルのメンバーの中に熟成され眠っていたこの曲への愛情を小林が優れた音楽的センスできめ細かに美しく引き出しているという感じが強い。

弦をしなやかに使ってたっぷりと旋律を歌い、管と弦のフレーズの呼吸が完全に一体化する。

これはまさに彼らの音楽と実感する。

チェコ・フィルがこの曲を小林と録音すること自体、ひとつの事件だと思うが、実際ここで小林は自己を強引に顕示するのではなく、彼らのなかから自然にこの曲の語法を引き出し美しくまとめあげている。

小林とチェコ・フィルの関係はきわめて充実しており、全編のびやかでスケールの大きい指揮でチェコ・フィルも共感ゆたかにこれに応えている。

これは実に音楽的な《わが祖国》と言えるだろう。

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2011年12月19日


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小林研一郎の《わが祖国》と言えば、チェコ・フィルと録音した1997年盤が頭に浮かぶが、これはそれから12年ぶりの録音である。

チェコ・フィルとの演奏と比べ、小林研一郎ならではの解釈を随所で聴くことができるが、決して爆演とならず、スケールが大きく熱いながらも正攻法な演奏から逸脱していないのは流石である。

「ヴィシェフラド」は、小林としてはいま一つの出来。東京都交響楽団ともども、エンジンがかかっていないきらいがある。

「モルダウ」に入って、漸く小林らしさが出てくる。特に、終結部の雷鳴のようなティンパ二の鳴動は圧倒的なド迫力。

「シャールカ」は、中間部のゲネラルパウゼが実に効果的で、緩急自在のテンポが曲想を巧みに描き尽くすのに貢献している。

「ボヘミアの森と草原から」は、静けさよりは小林の熱い血がそこらじゅうにたぎっている感じ。

「ターボル」の重量感溢れる巨象の進軍にはもはや抗するものは何もなく、「ブラ二ーク」における圧倒的な高揚感に繋がっていく。

特に、終結部のティンパ二の強打と、「ヴィシェラフド」の再現の崇高な歌いあげは、小林の唸り声も聴こえるなど、小林の独壇場と言っても過言ではあるまい。

東京都交響楽団も、「ブラ二ーク」のホルンの旋律の野太さなど、《わが祖国》の内包する郷愁の哀感を的確に表現するなど、持てる力を存分に発揮しており、小林の指揮ともども名演であると評価したい。

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2011年11月29日


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2005年4月6-8日、ナイメーヘン、コンセルトヘボウ・デ・フェレエーニヒング DSD レコーディング。

レパートリーの少ない小林研一郎だが、その中の極めつけはチャイコフスキーの5番である。

ムラヴィンスキーも凄いし、ストコフスキーも愉しいが、筆者は両者を折衷したような小林型を第1に採りたい。

この曲を最も得意とし、彼のレパートリーのトップに置いている小林の表現は、音楽の細部までを完全に自分のものとして消化しつくし、しかも旧録と変わらず目いっぱい振る舞っているところが凄い。

テンポは大きく変化し、楽器や表情は彫り深く抉りぬかれ、随所で情熱が爆発する。

第1楽章の序奏部から指揮者の感情が全開しているが、主部の雄弁な語り口には、まさに自分の土俵で相撲をとっているような自在感があり、第2主題、第3主題のテンポの落とし方は旧録よりもずっと自然になったが、それでも初めて聴く人をびっくりさせるだろう。

直後の一気呵成の疾走も凄まじい。

コーダでは大芝居が待っており、その冒険はセクシーでさえある。

第2楽章は目いっぱい感情をこめているのに完熟の味わいがあり、第3楽章のファゴットのテーマには往年の指揮者と同じルバートがかかる。嬉しい。

そして、フィナーレの躍動的な大迫力!

小林はまるでチャイコフスキーの5番を指揮するために生まれてきたような音楽家だが、数えきれないほど演奏しているのに、どこにも慣れを感じさせないのは立派だし、アーネム・フィルも極めて上質である。

これは数ある小林のチャイコフスキーの5番の決定盤かもしれない。

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2011年01月27日


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2004年6月13日、長い蜜月時代を経て2004年3月に日本フィルの音楽監督に就任した小林研一郎の就任記念演奏会の模様(サントリー・ホール)。

素晴らしいの一言。さすがはコバケンのチャイ5。その気迫と意気込みは素晴らしい。

絶妙なテンポの駆け引きを演じつつもそれが全く不自然さを感じさせない彼のバランス感覚には感服させられる。

低弦も金管も軽く吹き渡るようで、ホール感重視の音づくり。

やや冷めた印象は残るが、それでも指揮者のほとばしる情熱は伝わってくる。

第1楽章から所々でバス・トロンボーンが唸りを上げる様は圧巻であるが、やはり“コバケンも”唸りを上げその情熱がオケを奮い立たせているのが全面に現れている。

最も得意にしている曲の一つだけあって13‘35からの急速なテンポの切り返しも彼ならではといえる驚きの内容。

寡黙なソロ・ホルンに絶妙な弦のハーモニーが濃厚且つ心地良く響く第2楽章。

格調高い終楽章の響きも3分過ぎからかき鳴らされる弦の響きから急速に盛り上がり盛大なフィナーレを築き上げる。

もっとも、ライヴ故演奏上のミスはあるし、アンサンブルが乱れ気味になる個所もある。

また、コバケン特有の唸り声も入っている。だが、まるでコバケンの汗がスピーカーから飛んできてしまいそうな力強さがある。

テンポ感覚も変幻自在、超弩級の演奏だ。

“コバケン”と日本フィルの今後からますます目が離せなくなる仕上がりと言える。

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