スメタナSQ

2017年05月19日


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ベートーヴェンの作品でも弦楽四重奏曲は、作曲者の内面を反映した特別な作品と言える。

それらは、ひとりディスクで聴くにふさわしい規模であり、人生のあらゆる機会に聴き手の内奥に触れる。

音楽のもつ偉大な力を、さらに大規模な作品と同じように痛感させるのも凄い。

そのためベートーヴェンの弦楽四重奏曲は入手できるほとんどのディスクを聴いてきたと思うが、その中で、特に強い感銘を与えられたのが、このスメタナ四重奏団の全集である。

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の全曲演奏が、弦楽四重奏団にとってひとつの究極であるとともに、常にそのマイルストーンとなり得るものであることは間違いなく、それはスメタナ四重奏団にとっても、それは例外ではなかったろう。

モノーラル録音の時代から、彼らはベートーヴェンへのアプローチを重ねてきたし、メンバーの交替はあっても、一貫してボヘミアの伝統を生かした美しい音とアンサンブルによって、深く格調の高い演奏を緻密に展開してきた。

全集と言えば、かつてのブダペスト四重奏団が練達の境地でひとつの高峰を築いていた。

最近の東京クヮルテットの新鮮な表現も忘れ難いが、音楽の大きさにおいて、まだスメタナ四重奏団の最後の録音には及ばない。

スメタナ四重奏団は深い精神性とアンサンブルの集中力において、依然、他の追随を許さない。

弦楽四重奏のひとつの理想を達成した演奏であり、初期、中期、後期のいずれもが確かに作品の本質をあらわにしている。

本セットに収録されているのは1976年から85年にかけてのデジタル録音で、スメタナ四重奏団としては2度目の録音になるが、1回目は全集として完結していないので事実上これが彼らにとってはベートーヴェンが書いた17曲の弦楽四重奏曲(このうち1曲はピアノ・ソナタからの編曲)の唯一の記念碑的な全曲集になっている。

スメタナ四重奏団は古典から現代に至る膨大なレパートリーを総て暗譜によって演奏したが、とりわけベートーヴェンは精力的にコンサートのプログラムに取り入れた作曲家の1人だった。

彼らの公式演奏記録によれば1945年の結成から1989年にキャリアを終えるまでにベートーヴェンの弦楽四重奏曲のみで合計1490回、また音楽性の表出や演奏技術面においても難解とされる同後期作品だけでも654回取り上げている。

しかも1956年以降は最後までメンバー不動で活動を続けた、まさに百戦錬磨のカルテットでもあった。

スメタナ四重奏団は、モノーラル時代からベートーヴェンを何度も録音してきており、レーベルもウェストミンスター、スプラフォン、そしてデンオンと変わった。

それぞれの演奏が、今も光彩を放っているが、やはり音楽の深さにおいて、最後のデンオンへの録音が感動的である。

演奏の全体的な印象としては、第1回目の覇気はやや影を潜めたが、全曲を貫く奇を衒わないごく正統的なアプローチは筋金入りだ。

長年のキャリアと経験によって培われた阿吽の呼吸と鍛え上げられた緊密なアンサンブルを絶妙にコントロールして、清澄な響きの中に洗練された音楽性を醸し出す奏法は、彼ら独自の境地を切り開いていて感動を禁じ得ない。

彼らのベートーヴェンはヨーロッパの伝統様式を踏襲しながら、それを新古典的な感覚で生かしており、内面から湧き上がる表情の深遠さは類を見ない。

しかも弦の響きの美しさとアンサンブルの清澄さ、室内楽的な融合と統一においても、彼らを凌ぐベートーヴェンは未だ存在しないと言える。

その感情を極度に抑制し、作為的なこわばりのない自然な音楽の姿を作り出していく技術の確かさには、ただ驚き入るばかりだ。

アナログ録音は、やや禁欲的に過ぎるきらいがあるが、デジタル録音では、持ち前の透明度の高い音色の中から暖かい情感が滲み出てくるあたりの味わいの深さが凄い。

作品に深く傾倒することによって、透徹した格調高い音の世界を生み出しており、特にベートーヴェンの晩年の心境を抉り出した後期の作品が素晴らしい。

彼らのベートーヴェンは、ハイドンもモーツァルトでもそうだが、弦楽四重奏の美学を終局にまで追い詰めた稀に見る完成度の高い名演なのだ。

それは、彼らの歴史の究極であるばかりではなく、室内楽のひとつの規範ともなり得よう。

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2017年05月15日


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ボヘミアは古くから名立たる弦楽四重奏団を育んでいる地方だが、ライナー・ノーツによればスメタナ四重奏団は1945年に結成され、43年間の長いキャリアの中で60ヶ国でのコンサート活動を行い、数多くの音楽祭やレコーディング・スタジオに招待されたとある。

多忙な演奏会の合間を縫って彼らはベートーヴェンの弦楽四重奏曲やモーツァルトの弦楽五重奏曲の全曲録音を始めとする150種以上のレコーディングも成し遂げている。

このCDに収録されたモーツァルトとブラームスのクラリネット五重奏曲に関しては僅かに1回ずつのセッションの機会しかなく、前者は彼らのメンバーが不動になる以前の1952年の演奏であるためモノラル録音である。

ヴィオラはヤロスラフ・リベンスキーが受け持っているがオリジナル・マスター・テープの保存状態が比較的良好。

リマスタリングの効果もあって彼らの身上でもある奇をてらわない飄々として流麗なアンサンブルと、弦の国チェコならではの落ち着いた音色が再現されている。

一方ブラームスは1964年のステレオ録音で、こちらは黄金期のメンバーの第1ヴァイオリン/イルジー・ノヴァーク、第2ヴァイオリン/リュボミール・コステツキー、ヴィオラ/ミラン・シュカンパ、チェロ/アントニーン・コホウトの4人が弦楽四重奏団としての頭角を現した。

鍛え上げた阿吽の呼吸とも言うべき類い稀な合わせのテクニックで、円熟期にはないこの頃特有の覇気に満ちた演奏を繰り広げている。

クラリネット・ソロはいずれも同郷の出身でチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者だったヴラディーミル・ルジーハである。

彼はターリッヒ、アンチェル、クーベリックなどの名指揮者の下で研鑽を積み、アンサンブルの一員としてもこのCDで示されているように個性派ではないにしても、モーツァルトでの弦楽にぴったり寄り添いながら弱音を巧みに使った温もりのある表現は流石に巧い。

そのごく自然な演奏がスメタナ四重奏団とひとつの完成されたモーツァルトの世界を創造している。

またブラームスでは両者ともかなりドラマティックな解釈を試みていて、スメタナの凛として厳格な弦にルジーハの渋く咽ぶようなクラリネットが応酬する協奏的な雰囲気が特徴だ。

スプラフォン音源の隠れた名盤で、どちらもプラハ・ドモヴィーナ・スタジオにて収録。

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2016年03月03日


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モーツァルトの6曲ある弦楽五重奏曲は粒揃いだが、その中で、最も人気のある第3番と第4番をカップリングしたもので、演奏や録音も含めすべての面で次元の高い名盤と高く評価したい。

評論家の小林秀雄氏によって「モォツアルトの悲しさは疾走する」と評された弦楽五重奏第4番を含むアルバムである。

弦楽五重奏曲の第3番、第4番は、交響曲第40番、41番の関係に比較されることも多い、同時期作曲の楽曲で、第40、41番同様、かたや雄大で重厚、かたや哀感ある曲になっているが、これらの曲を、名門スメタナ四重奏団は、名手スークを迎え、その重厚感、哀感を見事に再現していて素晴らしい。

円熟期のスメタナ四重奏団と名手スークによる同曲の決定盤と言えるところであり、室内楽ファンを魅了してやまないアルバムと言えよう。

何よりも、スメタナ四重奏団の自然体ですっきりとした非常に端正な演奏が、これらの楽曲の楽想に見事にマッチングし、精緻を極めたアンサンブルと美しくおおらかな表現が秀逸。

ゆったりとした気持ちで、モーツァルトの素晴らしい音楽の魅力をダイレクトに味わうことができるのが素晴らしい。

第3番では作曲家天性の晴朗さが彼らの落ち着いたテンポ設定によって古典派特有の形式美を伴って再現され、意味の無い感情表出に拘泥しない極めて透明度の高い演奏だ。

一方第4番はモーツァルトにとって意味深い調性ト短調で書かれているが、ここでも彼らのアプローチは決して憂愁に媚びるものではなく、むしろ明るく艶やかな音色を生かして流麗な曲想をダイレクトに辿っている。

しかしその解釈は言葉では言い尽くせないほど懐が深いために、かえってモーツァルトの内面的な音楽性を浮かび上がらせることに成功しているのも事実だ。

もちろん、スメタナ四重奏団の演奏には、例えば最近解散したアルバン・ベルク四重奏団や今をときめくカルミナ四重奏団のような強烈な個性などは感じられないが、各奏者のハーモニーの調和においては、他のいかなる四重奏団をも凌駕し、第1ヴィオラを弾いたスークの名演奏も含め、極上の美演を披露、彼らのモーツァルトの弦楽五重奏曲集は素晴らしいの一語に尽きる。

弦楽五重奏曲を演奏する喜びが、これほどまでに音化されている例はほかにもあまりなく、これぞ室内楽曲の至高・至純の芸術美と言えよう。

録音も、通常盤でもかなりの高音質を誇っていたが、Blu-spec-CD化によって、より一層鮮明な音質に生まれ変わった。

このような名演を極上の高音質で味わうことができることを大いに喜びたい。

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2015年08月24日


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スメタナ弦楽四重奏団によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲の名演としては、1976〜1985年という約10年の歳月をかけてスタジオ録音したベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集が名高い。

さすがに、個性的という意味では、アルバン・ベルク弦楽四重奏団による全集(1978〜1983年)や、近年のタカーチ弦楽四重奏団による全集(2002年)などに敵わないと言えなくもないが、スメタナ四重奏団の息のあった絶妙のアンサンブル、そして、いささかもあざとさを感じさせない自然体のアプローチは、ベートーヴェンの音楽の美しさや魅力をダイレクトに聴き手に伝えることに大きく貢献している。

もちろん、自然体といっても、ここぞという時の重量感溢れる力強さにもいささかの不足はないところであり、いい意味での剛柔バランスのとれた美しい演奏というのが、スメタナ弦楽四重奏団による演奏の最大の美質と言っても過言ではあるまい。

ベートーヴェンの楽曲というだけで、やたら肩に力が入ったり、はたまた威圧の対象とするような居丈高な演奏も散見されるところであるが、スメタナ弦楽四重奏団による演奏にはそのような力みや尊大さは皆無。

ベートーヴェンの音楽の美しさや魅力を真摯かつダイレクトに聴き手に伝えることに腐心しているとも言えるところであり、まさに音楽そのものを語らせる演奏に徹していると言っても過言ではあるまい。

本盤に収められたベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番と第16番は、前述の名盤の誉れ高い全集に収められた弦楽四重奏曲第15番と第16番の約20年前の演奏だ。

全集があまりにも名高いことから、本盤の演奏はいささか影が薄い存在になりつつあるとも言えるが、レコード・アカデミー賞受賞盤でもあり、メンバーが壮年期を迎えた頃のスメタナ弦楽四重奏団を代表する素晴らしい名演と高く評価したい。

演奏の基本的なアプローチについては、後年の全集の演奏とさしたる違いはないと言える。

しかしながら、各メンバーが壮年期の心身ともに充実していた時期であったこともあり、後年の演奏にはない、畳み掛けていくような気迫や切れば血が噴き出してくるような強靭な生命力が演奏全体に漲っていると言えるところだ。

したがって、後年の円熟の名演よりも本盤の演奏の方を好む聴き手がいても何ら不思議ではないとも言える。

第15番と第16番は、ベートーヴェンが最晩年に作曲した弦楽四重奏曲でもあり、その内容の深遠さには尋常ならざるものがあることから、前述のアルバン・ベルク弦楽四重奏団などによる名演などと比較すると、今一つ内容の踏み込み不足を感じさせないわけではないが、これだけ楽曲の魅力を安定した気持ちで堪能することができる本演奏に文句は言えまい。

いずれにしても、本盤の演奏は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の魅力を安定した気持ちで味わうことが可能な演奏としては最右翼に掲げられる素晴らしい名演と高く評価したいと考える。

音質は、1967、68年のスタジオ録音ではあるが、比較的満足できるものであった。

しかしながら、先般、シングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤がなされ、圧倒的な高音質に生まれ変わったところだ。

したがって、SACD再生機を有している聴き手は、多少高額であっても当該シングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤をお薦めしたいが、SACD再生機を有していない聴き手や、低価格で鑑賞したい聴き手には、本Blu-spec-CD盤をお薦めしたい。

第12番、第13番及び大フーガ、第14番についても今般Blu-spec-CD化がなされたが、従来CD盤との音質の違いは明らかであり、できるだけ低廉な価格で、よりよい音質で演奏を味わいたいという聴き手にはBlu-spec-CD盤の購入をお薦めしておきたいと考える。

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2015年07月29日


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スメタナ弦楽四重奏団によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲の名演としては、1976〜1985年という約10年の歳月をかけてスタジオ録音したベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集が名高い。

さすがに、個性的という意味では、アルバン・ベルク弦楽四重奏団による全集(1978〜1983年)や、近年のタカーチ弦楽四重奏団による全集(2002年)などに敵わないと言えなくもないが、スメタナ四重奏団の息のあった絶妙のアンサンブル、そして、いささかもあざとさを感じさせない自然体のアプローチは、ベートーヴェンの音楽の美しさや魅力をダイレクトに聴き手に伝えることに大きく貢献している。

もちろん、自然体といっても、ここぞという時の重量感溢れる力強さにもいささかの不足はないところであり、いい意味での剛柔バランスのとれた美しい演奏というのが、スメタナ弦楽四重奏団による演奏の最大の美質と言っても過言ではあるまい。

ベートーヴェンの楽曲というだけで、やたら肩に力が入ったり、はたまた威圧の対象とするような居丈高な演奏も散見されるところであるが、スメタナ弦楽四重奏団による演奏にはそのような力みや尊大さは皆無。

ベートーヴェンの音楽の美しさや魅力を真摯かつダイレクトに聴き手に伝えることに腐心しているとも言えるところであり、まさに音楽そのものを語らせる演奏に徹していると言っても過言ではあるまい。

本盤に収められたベートーヴェンの弦楽四重奏曲第12番と第14番は、前述の名盤の誉れ高い全集に収められた弦楽四重奏曲第12番と第14番の約20年前の演奏だ。

全集があまりにも名高いことから、本盤の演奏はいささか影が薄い存在になりつつあるとも言えるが、レコード・アカデミー賞受賞盤でもあり、メンバーが壮年期を迎えた頃のスメタナ弦楽四重奏団を代表する素晴らしい名演と高く評価したい。

演奏の基本的なアプローチについては、後年の全集の演奏とさしたる違いはないと言える。

しかしながら、各メンバーが壮年期の心身ともに充実していた時期であったこともあり、後年の演奏にはない、畳み掛けていくような気迫や切れば血が噴き出してくるような強靭な生命力が演奏全体に漲っていると言えるところだ。

したがって、後年の円熟の名演よりも本盤の演奏の方を好む聴き手がいても何ら不思議ではないとも言える。

第12番と第14番は、ベートーヴェンが最晩年に作曲した弦楽四重奏曲でもあり、その内容の深遠さには尋常ならざるものがあることから、前述のアルバン・ベルク弦楽四重奏団などによる名演などと比較すると、今一つ内容の踏み込み不足を感じさせないわけではないが、これだけ楽曲の魅力を安定した気持ちで堪能することができる本演奏に文句は言えまい。

いずれにしても、本盤の演奏は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の魅力を安定した気持ちで味わうことが可能な演奏としては最右翼に掲げられる素晴らしい名演と高く評価したいと考える。

音質は、1970、71年のスタジオ録音ではあるが、比較的満足できるものであった。

しかしながら、先般、シングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤がなされ、圧倒的な高音質に生まれ変わったところだ。

したがって、SACD再生機を有している聴き手は、多少高額であっても当該シングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤をお薦めしたいが、SACD再生機を有していない聴き手や、低価格で鑑賞したい聴き手には、本Blu-spec-CD盤をお薦めしたい。

第13番及び大フーガ、第15番、第16番についても今般Blu-spec-CD化がなされたが、従来CD盤との音質の違いは明らかであり、できるだけ低廉な価格で、よりよい音質で演奏を味わいたいという聴き手にはBlu-spec-CD盤の購入をお薦めしておきたいと考える。

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2015年02月27日


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モーツァルトが作曲した6曲の弦楽五重奏曲のうち、最初期と最円熟期の作品を収めたものであるが、いずれも素晴らしい名演だ。

スメタナ四重奏団の演奏は、いつものとおり自然体のアプローチである。

それは、特に最近の弦楽四重奏団に顕著に見られる個性的な鋭さなどとは無縁であるが、情感豊かな人間的なぬくもりのある演奏ということでは、スメタナ四重奏団の右に出るものはいないのではないかと思われる。

モーツァルトの恒久的な幸福感に充たされた表現が秀逸で、古典派の様式をわきまえたごく正統的な解釈であっても、溢れんばかりの躍動感や、常に新鮮な感覚を失わないアンサンブルの美しさは流石だ。

スメタナ四重奏団の魅力は、弦の国チェコのアンサンブルだけあって、明るく伸びやかな音色を活かした屈託の無さと、隙の無い緊密な合奏力にある。

そうした最高のアンサンブルを誇る四重奏団に、やはりチェコを代表する名手スークを加えた演奏は、我々聴き手に、ゆったりとした気持ちでモーツァルトの音楽を味わうことを可能にする、かけがえの無い理想的な演奏が繰り広げられている。

どの楽器が突出するということはなく、5つの楽器が最美のハーモニーを奏でていくという態様は、まさに弦楽五重奏曲の醍醐味の至高・至純の具現化とも言えるだろう。

中でも第1番での意欲的なダイナミズムの投入は、こうした作曲家の若書きの作品本来の生命を新たに吹き込んでいるような爽快感がある。

一方第5番は、モーツァルト円熟期の豊かな音楽性と巧みな作曲技法を手に取るように再現している味わい深いアンサンブルが聴き所だろう。

弦楽五重奏曲はモーツァルトの室内楽の精髄である味わい深い名作揃いであるが、特殊な編成のため名演が生まれにくいレパートリーでもあり、名演が少ないが、そのような中で、本盤は、まぎれもなく、最高峰に位置づけてもいい名演と高く評価したい。

人気、実力とも絶頂期にあったスメタナ四重奏団に、チェコの至宝スークがヴィオラで加わった本盤が、今なおこの2曲の最高峰として屹立しているのは、練り上げられたアンサンブルと表現が極限の高みに到達し、神々しいまでの光を放っているからに他ならない。

音質も従来盤からして、素晴らしい高音質を誇っていたが、今般のBlu-spec-CD化によって、さらに奏者の息づかいまで聴こえるような、生々しく鮮明な音質に生まれ変わった。

音質が鮮明なだけでなく、楽器ごとの音の分離状態も明瞭で、スメタナ四重奏団&スークの名演を望み得る最高音質で味わうことができるのを大いに喜びたい。

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2015年02月21日


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弦の国チェコの名門、スメタナ四重奏団は緊密な中にも自在な表現でドヴォルザークの音楽を生き生きと自然に紡ぎ出している。

スメタナ四重奏団は、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」を果たして何度演奏し、録音したのであろうか。

スメタナ四重奏団によるドヴォルザークの「アメリカ」は1958年のモノラル録音のセッション以来、解散直前の1987年のデジタル・ライヴ盤を含めて都合5種類がリリースされている。

ヴァーツラフ・ノイマンを始めとするプラハ音楽院時代の仲間達で四重奏団が結成されたのは1945年だが、1956年以降はメンバーの交代もなく4人揃って32年の長きに亘ってアンサンブルを組み、常に第一線の水準を保ち続けたこと自体驚異的な事実だ。

本盤の録音は、1966年であり、スメタナ四重奏団としては初期の録音になるのであるが、他の録音にも優るとも劣らない素晴らしい名演と高く評価したい。

この演奏では彼らの壮年期の力強さと、第1回目の録音時の若さに溢れた溌剌とした覇気を併せ持った表現が秀逸で音質も良好だ。

スメタナ四重奏団には、聴き手を驚かすような特別な個性があるわけではない。

彼らの演奏の特徴はメンバーの1人1人が自由闊達な演奏をしながら、アンサンブルとして完璧に統率されていることで、またチェコの弦楽器奏者特有の明るく艶やかな音色と決して重厚になり過ぎない表現の中庸さにあると思う。

あくまでも、楽曲を真摯な姿勢で忠実に弾いて行くという、いわゆるオーソドックスなアプローチを旨としているが、素晴らしいのは、息のあった各奏者の鉄壁のアンサンブルと、チェコ風のローカル色豊かな美しい音色だ。

そのあたたかささえ感じさせる音色と鉄壁のアンサンブルによって、演奏したいずれの楽曲にも、潤いと温もりを与えることになるものと思われる。

したがって、アプローチがオーソドックスなものであっても、平板な演奏にいささかも陥らないのは、こうした点に理由があるものと考える。

第5回目のライヴは彼らの円熟期特有の角がとれた、音楽的にも深い味わいのある演奏で聴き逃せないが、こちらの方がドヴォルザークの斬新な曲想に、より相応しい鮮烈な表現が魅力的だ。

一方、第2楽章〈アンダンテ・カンタービレ〉が特に有名なチャイコフスキーも名演で、情緒に溺れない節度ある演奏は美しい限り。

1966年にスメタナ四重奏団が残した唯一のセッションでそれだけでも貴重な録音だが、調和のとれた美しい演奏だ。

チャイコフスキーの場合は、旋律のあまりの美しさ故に、いたずらに感傷に陥ったりして、芸術作品としての格を落としかねない危険性を孕んでいるが、スメタナ四重奏団の手にかかると、高踏的な美しさを失わないのが見事だ。

HQCD化によって、音質がさらに鮮明になったのも素晴らしく、従来盤に比べて音の分離が良くなり、全体的に音質も雑身がとれて聴き易くなった印象が持てる。

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2015年02月20日


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チェコが世界に誇るカルテットとして活躍したスメタナ四重奏団によるヤナーチェクの弦楽四重奏曲の4度目の録音で、その白熱した名演はライヴでありながら他の追随を許さぬ至芸の域に達している。

これはヤナーチェクの弦楽四重奏曲の数ある録音の中でも最高の名演であるとともに、スメタナ四重奏団の様々な演奏の中でもトップの座を争う超名演と高く評価したい。

本盤をそうした超名演たらしめたのは、ライヴ録音であるということによるのではなかろうか。

スメタナ四重奏団は、本盤の3年前にも、両曲をスタジオ録音している。

それもスメタナ四重奏団の名を辱めることのない名演ではあるが、本盤を前にすれば、太陽の前の星のような存在に過ぎない。

それぐらい、本盤はダントツの出来と言えるだろう。

第1番の第1楽章の冒頭からして、凄まじい緊迫感だ。

この冒頭の悲劇的な主題は、同曲の全体を支配しているが、スメタナ四重奏団は、終楽章に至るまで、冒頭の緊張感を保っており、それでいて随所に見られるモラヴィアの民謡風の旋律の情感豊かな歌い方にもいささかの抜かりはない。

第2番は、第1番をさらに深く、そしてスケールを雄大にした作品であるが、スメタナ四重奏団の鬼気迫る演奏は、他の弦楽四重奏団の追随を許さない至高・至純のレベルに達している。

ヤナーチェクという作曲家の憧憬や焦燥といった心理状態が凄絶なまでに写し出された音楽を、スメタナ四重奏団の精緻を極めたアンサンブルが克明に辿っていくのがこの名演の聴きどころだ。

ライヴ特有の緊張感の中に戦慄が走るような一体感で彼らの演奏が繰り広げられる。

確かに彼らは作曲家と同じチェコの音楽家であり、これらの曲に使われている民族的なエレメントや音楽に隠された言葉のアクセントやイントネーションを悟ることにそれほどの困難は無いかも知れない。

だがスメタナ四重奏団には単に同郷の強みだけではない、言ってみればこうした特異な音楽を普遍的な芸術に昇華する合奏力を持っている。

ヤナーチェクの強いメッセージを感じることができる数少ない演奏だ。

とある小説の登場によって、ヤナーチェクの様々な楽曲の録音は増える傾向にあるが、弦楽四重奏曲のについて、本盤を超える演奏を成し遂げるのは決して容易ではないと考える。

Blu-spec-CD化によって、音質は更に鮮明さを増しており、本盤の超名演の価値をより一層高めることに大きく貢献している。

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2015年02月19日


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実に美しい名演だ。

美しいと言うのは、いささか月並みな言い方ではあるが、本盤のような演奏を耳にしては、これ以上の形容詞が思い浮かばない。

それほどまでに、清澄な美しさに満ち溢れた至高・至純の名演と言える。

スメタナ四重奏団は、最近まで世界をリードしてきたアルバン・ベルク四重奏団や今をときめくカルミナ四重奏団のような鋭さや個性的な響きはない。

かつてのカペー四重奏団などの瀟洒な独特の雰囲気があるわけでもない。

そうした特筆するような個性があるわけではないが、他方、各楽器の高い次元での調和や、音色の清澄な美しさにおいては、他のいかなる四重奏団と言えども、スメタナ四重奏団にはかなわないのではないかと考える。

いずれも湧き出るような美しい音色と表現の豊かさ、そして何よりも増して熟達したアンサンブルの巧みさが特徴だろう。

そうしたスメタナ四重奏団にあっては、お国ものの音楽を除けば、最も符号する楽曲はモーツァルトということになるのではないだろうか。

チェコの名ヴァイオリニストであるスークが加わったモーツァルトの弦楽五重奏曲ということになれば、演奏が悪かろうはずがない。

スークのヴィオラは、スメタナ四重奏団と本当にうまく溶け合って、アンサンブルの練り上げは見事の一語に尽きる。

弦楽五重奏というと、四重奏団4人とゲスト1人との間に距離感を残している演奏が多い中、お互いを知り尽くしたスメタナ四重奏団とスークによるこのアンサンブルの緊密な一体感は、まるで常設の五重奏団であるかのようで、室内楽の醍醐味を満喫させてくれる。

そのため、前述のように、至高・至純の美しさを湛えた名演が仕上がることになる。

特に、モーツァルト最晩年の音楽のエッセンスのような第6番の演奏には静謐ささえ漂っており、おそらくは同曲最高の名演である。

ここでも彼らの弦の音色の美しさと細部まで練り上げられた高度な合奏の魅力が聴き所で、特に第3楽章のトリオの部分にあるヴァイオリンとヴィオラのユニゾンで聴かせる鄙びたメロディや終楽章のフーガでのこれほど息の合った、しかも余裕を持った演奏はそうざらにあるものではない。

これほど自然な流れと魅力ある表情で奏でるなんて……、これを成熟した音楽というのだろう。

Blu-spec-CD化によって、より鮮明な音質に生まれ変わっており、従来盤に比べて明瞭かつ新鮮な音質が再現されていて、本盤の価値を大いに高めることになっている。

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2015年02月05日


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祖国の大作曲家スメタナの名を冠したスメタナ四重奏団にとって、格別の思い入れのある作品2曲。

彼らにとっての3回目の録音であり、発売当時からスメタナの決定的名盤としてよく知られている演奏だ。

これは掛け値なしに同曲の演奏史上、最高の超名演であり、チェコの至宝であったスメタナ四重奏団が、チェコ音楽の父であるスメタナの作品を共感に満ちて奏でている。

弦楽四重奏団の名として掲げられた作曲家ということもあるが、祖国の偉大な作曲家に対する深い畏敬の念に満ち溢れている。

これだけでも、演奏が悪いわけがないのであるが、それに加えて、スメタナ四重奏団のアンサンブルの見事さ。

見事と言っても、単にアンサンブルが揃っているだけではない。

2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの各音色が完全に融合しているのである。

そうした音色の完全な融合が、スメタナの美しくも悲しい音楽を完璧に表現し尽くしている。

しかも、曲の内容からすれば慟哭にも近い響きがあってもしかるべきであるが、スメタナ四重奏団は、悲しみはあっても、いささかも感傷的にはならない。

どのような局面に差し掛かっても、高踏的な美しさを湛えており、スメタナへの深い畏敬の念も相俟って、同四重奏団だけが描出し得る至高・至純の音楽を奏でている。

また、スメタナ四重奏団の優れているところは、この2曲を綺麗ごとでもなければ誰の真似事でもない自分達が直接受け継いだ直伝の音楽として取り組んでいることだ。

そこには同郷の作曲家に対する敬意や自負が感じられるし、何よりもチェコの音楽の伝統を引き継いでいこうとする情熱的な使命感が漲っている。

それは偏狭なナショナリズムではなく、むしろ作曲家の目指した普遍的な音楽芸術への昇華ではないだろうか。

筆者はこの演奏を聴く度に胸が熱くなるところであり、ディスクの帯にある「果たしてこれ以上の演奏が可能だろうか」に全く同感してしまう。

さらにスメタナの自筆譜から新たに作り直した新校訂楽譜を使用していることもこの盤の価値を高めており、今後とも、本盤を凌駕する名演があらわれるのは相当に困難だと考える。

音質は、かつて発売されたSACDマルチチャンネル盤がベストであったが、本Blu-spec-CD盤も相当に鮮明な音質となっており、費用対効果を考えると、十分に推薦に値する。

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2015年01月21日


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チェコの至宝であったスメタナ四重奏団が解散の直前に録音した極めつきのドヴォルザーク。

スメタナ四重奏団の演奏が日本の音楽ファンに与えた影響は小さくなく、40年以上に及ぶキャリアと伝統は音楽史に残るべきものがあるだろう。

ドヴォルザークの室内楽曲中、最も有名な弦楽四重奏曲である第12番「アメリカ」は、スメタナ四重奏団にとっても、演奏回数が非常に多い作品の1つと言えよう。

録音も当然のことながら多く、本盤も、何と5回目の録音ということになり、スメタナ四重奏団がその芸術の集大成とでも呼べるべき傑出した演奏による当録音は、素晴らしいの一言。

スメタナ四重奏団の「アメリカ」としては、1970年代の旧録音の方がよりベストフォームの名演だと思うが、本盤の演奏も、名演と評価したい。

円熟の極みにあったスメタナ四重奏団は、メンバーが晩年を迎えながら技術的にも音楽的にも完熟の極みといえる深い味わいを湛えた名演をなしている。

何度も演奏を繰り返すことによって、楽曲の隅々に至るまで知り尽くしているとは思うが、いわゆる惰性で演奏している箇所は皆無。

どこをとっても、敬愛する楽曲を演奏するという喜びと躍動感に満ち溢れており、そうした謙虚で真摯な姿勢が、聴き手にゆったりとした気持ちで同曲を味わうことができることに繋がるものと考える。

スメタナ四重奏団は暗譜で全曲演奏することで有名であるが、精緻なアンサンブルの秘訣はそのこととも関連するのであろう、弦楽器であるがブレスのタイミングを揃えているようにも感じ取れた。

4つの楽器が見事に融合する美しい響きは相変わらずであり、何度録音(演奏)してもスメタナ四重奏団の「アメリカ」は、常に名演との評価が揺らぐことはないものと考える。

筆者としては彼らのドヴォルザークの演奏は本当に唯一無二のものだと高く評価したいと考えている。

カップリングの弦楽六重奏曲は、あまり演奏されない楽曲ではあるが、スメタナ四重奏団や、チェコの誇るスークやフッフロの名演奏によって、非常に美しい楽曲であることを認識させられた。

アンサンブルは緊密にして豊麗、楽曲への共感と自信に満ち、全体はすばらしい幸福感に包まれている。

Blu-spec-CD化によって、音質は非常に鮮明になっており、解像度も各楽器の分離も良く、音像が目の前に立ちあがるようで、これらの名演奏の価値をさらに高めることに繋がっている。

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2015年01月10日


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室内楽録音の金字塔とも言われるスメタナ四重奏団のベートーヴェン全集から、中期傑作の森の2曲という白眉の1枚。

スメタナ四重奏団によって、1970年代から1980年代初めにかけて完成されたベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集は、恐るべき凝縮力による緊密なアンサンブルによるベートーヴェン演奏の不滅の金字塔として名演の誉れが高い。

その中で、後期の弦楽四重奏曲(第11〜16番)は、名演ではあるものの、スメタナ四重奏団が必ずしもベストというわけではない。

かつてのカペー四重奏団から始まって、最近ではアルバン・ベルク四重奏団など、海千山千の四重奏団が個性的な名演を繰り広げており、より音楽的に内容の深いこれら後期の作品では、どうしても、そうした個性的な演奏の方に軍配が上がるからである。

それに対して、初期や、本盤に収められた第9番や第10番を含む中期の弦楽四重奏曲では、スメタナ四重奏団のような自然体の純音楽的アプローチは、抜群の威力を発揮する。

本盤の第9番や第10番も、おそらくはこれら両曲のトップの座を争う名演と高く評価したい。

一昔前は最高の弦楽四重奏団と言われた彼らの特徴は、暗譜による演奏の自由さにあった。

アンサンブルの緊密さから生まれる迫力は、その後の団体のさめた完璧な技術による響きとはかなり異なるが、いまでは聴くことができなくなった価値を思い知らされる。

4人が完全に一体となって、命を削るかのような集中力をもって音楽に奉仕しているのが、誰にでもはっきりと感得出来る。

スメタナ四重奏団の息のあった絶妙のアンサンブル、そして、いささかもあざとさのない自然体のアプローチは、ベートーヴェンの音楽の美しさや魅力をダイレクトに聴き手に伝えることに大きく貢献している。

もちろん、自然体といっても、第9番の第1楽章や終楽章などのように重量感溢れる力強さにもいささかの不足はない。

相変らず、キリリとしまった隙のない演奏ぶりであるが、そうした生真面目さの中で、第10番の両端楽章の軽やかさが印象的だ。

特に第1楽章の静かに始まる短調の調べから、長調の美しいピチカートへと移る部分は、このCDの聴きどころのひとつであり、憂いに溢れる第2主題で再び短調に戻る展開も、素晴らしい。

Blu-spec-CD化による高音質も極上であり、本名演の価値を大きく高めるのに貢献している。

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2014年10月21日


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スメタナ弦楽四重奏団によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲の名演としては、1976〜1985年という約10年の歳月をかけてスタジオ録音したベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集が名高い。

さすがに、個性的という意味では、アルバン・ベルク弦楽四重奏団による全集(1978〜1983年)や、近年のタカーチ弦楽四重奏団による全集(2002年)などに敵わないと言えなくもないが、スメタナ四重奏団の息のあった絶妙のアンサンブル、そして、いささかもあざとさを感じさせない自然体のアプローチは、ベートーヴェンの音楽の美しさや魅力をダイレクトに聴き手に伝えることに大きく貢献していた。

もちろん、自然体といっても、ここぞという時の重量感溢れる力強さにもいささかの不足はないところであり、いい意味での剛柔バランスのとれた美しい演奏というのが、スメタナ弦楽四重奏団による演奏の最大の美質と言っても過言ではあるまい。

ベートーヴェンの楽曲というだけで、やたら肩に力が入ったり、はたまた威圧の対象とするような居丈高な演奏も散見されるところであるが、スメタナ弦楽四重奏団による演奏にはそのような力みや尊大さは皆無。

ベートーヴェンの音楽の美しさや魅力を真摯かつダイレクトに聴き手に伝えることに腐心しているとも言えるところであり、まさに音楽そのものを語らせる演奏に徹していると言っても過言ではあるまい。

本盤に収められたベートーヴェンの弦楽四重奏曲第13番及び大フーガは、前述の名盤の誉れ高い全集に収められた弦楽四重奏曲第13番及び大フーガの演奏(1982年)の約20年前の演奏(1965年)だ。

全集があまりにも名高いことから、本盤の演奏はいささか影が薄い存在になりつつあるとも言えるが、メンバーが壮年期を迎えた頃のスメタナ弦楽四重奏団を代表する素晴らしい名演と高く評価したい。

演奏の基本的なアプローチについては、後年の全集の演奏とさしたる違いはない。

しかしながら、各メンバーが壮年期の心身ともに充実していた時期であったこともあり、後年の演奏にはない、畳み掛けていくような気迫や切れば血が噴き出してくるような強靭な生命力が演奏全体に漲っていると言えるところだ。

したがって、後年の円熟の名演よりも本盤の演奏の方を好む聴き手がいても何ら不思議ではないとも言える。

第13番及び大フーガは、ベートーヴェンが最晩年に作曲した最後の弦楽四重奏曲でもあり、その内容の深遠さには尋常ならざるものがあることから、前述のアルバン・ベルク弦楽四重奏団などによる名演などと比較すると、今一つ内容の踏み込み不足を感じさせないわけではないが、これだけ楽曲の魅力を安定した気持ちで堪能することができる本演奏に文句は言えまい。

いずれにしても、本盤の演奏は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の魅力を安定した気持ちで味わうことが可能な演奏としては最右翼に掲げられる素晴らしい名演と高く評価したい。

音質は、1965年のスタジオ録音ではあるが、比較的満足できるものであった。

しかしながら、先般、シングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤がなされ、圧倒的な高音質に生まれ変わったところだ。

したがって、SACD再生機を有している聴き手は、多少高額であっても当該シングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤をお薦めしたいが、SACD再生機を有していない聴き手や、低価格で鑑賞したい聴き手には、本Blu-spec-CD盤をおすすめしたい。

第12番、第14〜第16番についても今般Blu-spec-CD化がなされたが、従来CD盤との音質の違いは明らかであり、できるだけ低廉な価格で、よりよい音質で演奏を味わいたいという聴き手にはBlu-spec-CD盤の購入をおすすめしておきたい。

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2014年01月16日


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何という素晴らしい名演であろうか。

精妙なアンサンブルの中に、モーツァルト特有の陽気さ、軽妙さ、悲痛さ、苦悩といった、さまざまな情感を盛り込んだ名演だ。

弦楽四重奏曲第17番「狩」は、まさに狩りを皆で楽しむような生き生きとした力強い生命力に満ち溢れている。

構築性を尊重し、明るく大きく歌い上げており、これはスメタナ四重奏団ならではの名演だ。

スメタナ四重奏団の各奏者の醸し出す絶妙のアンサンブルは、これぞ弦楽四重奏曲の醍醐味とも言うべき高次元の至高の音楽を構築している。

他方、第15番は、モーツァルトにしては珍しい短調の楽曲であるが、悲劇的な曲想の中でも、決して甘美なメロドラマには陥ることなく、常に高踏的な至純の美しさを失わないところが素晴らしい。

そのデモーニッシュな魅力には聴き手を引きつけて離さない魅力がある。

ここでも、スメタナ四重奏団の各奏者の奏でるアンサンブルは、これ以上は求められないようなレベルに達しており、4人の室内楽的なかけ引きも見事というほかない。

第17番「狩」と同様、録音も含めれば、同曲最高の名演と言っても過言ではないだろう。

いずれも彼らの最盛期の録音といってよいだろう。

録音は、世界初のデジタル録音として、前述のようにもともと素晴らしいものであるが、今般のBlu-spec-CD化によって、さらに素晴らしい極上の高音質に生まれ変わった。

モーツァルトの弦楽四重奏曲の録音史上、最高の名演の一つをこのように極上の高音質で味わうことができることを大いに喜びたい。

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2013年08月03日


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スメタナ弦楽四重奏団によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲の名演としては、1976〜1985年という約10年の歳月をかけてスタジオ録音したベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集が名高い。

さすがに、個性的という意味では、アルバン・ベルク弦楽四重奏団による全集(1978〜1983年)や、近年のタカーチ弦楽四重奏団による全集(2002年)などに敵わないと言えなくもないが、スメタナ四重奏団の息の合った絶妙のアンサンブル、そして、いささかもあざとさを感じさせない自然体のアプローチは、ベートーヴェンの音楽の美しさや魅力をダイレクトに聴き手に伝えることに大きく貢献している。

もちろん、自然体といっても、ここぞという時の重量感溢れる力強さにもいささかの不足はないところであり、いい意味での剛柔バランスのとれた美しい演奏というのが、スメタナ弦楽四重奏団による演奏の最大の美質と言っても過言ではあるまい。

ベートーヴェンの楽曲というだけで、やたら肩に力が入ったり、はたまた威圧の対象とするような居丈高な演奏も散見されるところであるが、スメタナ弦楽四重奏団による演奏にはそのような力みや尊大さは皆無。

ベートーヴェンの音楽の美しさや魅力を真摯かつダイレクトに聴き手に伝えることに腐心しているとも言えるところであり、まさに音楽そのものを語らせる演奏に徹していると言っても過言ではあるまい。

本盤に収められたベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番及び第16番は、前述の名盤の誉れ高い全集に収められた弦楽四重奏曲第15番及び第16番の演奏(1983〜1985年)の約15年前の演奏(1967〜1968年)だ。

全集があまりにも名高いことから、本盤の演奏はいささか影が薄い存在になりつつあるが、メンバーが壮年期を迎えた頃のスメタナ弦楽四重奏団を代表する素晴らしい名演と高く評価したい。

演奏の基本的なアプローチについては、後年の全集の演奏とさしたる違いはない。

しかしながら、各メンバーが壮年期の心身ともに充実していた時期であったこともあり、後年の演奏にはない、畳み掛けていくような気迫や切れば血が噴き出してくるような強靭な生命力が演奏全体に漲っている。

したがって、後年の円熟の名演よりも本盤の演奏の方を好む聴き手がいても何ら不思議ではない。

第15番及び第16番は、ベートーヴェンが最晩年に作曲した最後の弦楽四重奏曲でもあり、その内容の深遠さには尋常ならざるものがあることから、前述のアルバン・ベルク弦楽四重奏団などによる名演などと比較すると、今一つ内容の踏み込み不足を感じさせないわけではないが、これだけ楽曲の魅力を安定した気持ちで堪能することができる本演奏に文句は言えまい。

いずれにしても、本盤の演奏は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の魅力を安定した気持ちで味わうことが可能な演奏としては最右翼に掲げられる素晴らしい名演と高く評価したい。

音質は、1960年代のスタジオ録音ではあるが、比較的満足できるものであった。

しかしながら、今般、ついにシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤が発売される運びになった。

本シングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤は、従来CD盤とはそもそも次元が異なる極上の高音質であり、音質の鮮明さ、音圧、音場の広さのどれをとっても一級品の仕上がりである。

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スメタナ弦楽四重奏団によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲の名演としては、1976〜1985年という約10年の歳月をかけてスタジオ録音したベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集が名高い。

さすがに、個性的という意味では、アルバン・ベルク弦楽四重奏団による全集(1978〜1983年)や、近年のタカーチ弦楽四重奏団による全集(2002年)などに敵わないと言えなくもないが、スメタナ四重奏団の息の合った絶妙のアンサンブル、そして、いささかもあざとさを感じさせない自然体のアプローチは、ベートーヴェンの音楽の美しさや魅力をダイレクトに聴き手に伝えることに大きく貢献している。

もちろん、自然体といっても、ここぞという時の重量感溢れる力強さにもいささかの不足はないところであり、いい意味での剛柔バランスのとれた美しい演奏というのが、スメタナ弦楽四重奏団による演奏の最大の美質と言っても過言ではあるまい。

ベートーヴェンの楽曲というだけで、やたら肩に力が入ったり、はたまた威圧の対象とするような居丈高な演奏も散見されるところであるが、スメタナ弦楽四重奏団による演奏にはそのような力みや尊大さは皆無。

ベートーヴェンの音楽の美しさや魅力を真摯かつダイレクトに聴き手に伝えることに腐心しているとも言えるところであり、まさに音楽そのものを語らせる演奏に徹していると言っても過言ではあるまい。

本盤に収められたベートーヴェンの弦楽四重奏曲第13番及び大フーガは、前述の名盤の誉れ高い全集に収められた弦楽四重奏曲第13番及び大フーガの演奏(1982年)の約20年前の演奏(1965年)だ。

全集があまりにも名高いことから、本盤の演奏はいささか影が薄い存在になりつつあるが、メンバーが壮年期を迎えた頃のスメタナ弦楽四重奏団を代表する素晴らしい名演と高く評価したい。

演奏の基本的なアプローチについては、後年の全集の演奏とさしたる違いはない。

しかしながら、各メンバーが壮年期の心身ともに充実していた時期であったこともあり、後年の演奏にはない、畳み掛けていくような気迫や切れば血が噴き出してくるような強靭な生命力が演奏全体に漲っている。

したがって、後年の円熟の名演よりも本盤の演奏の方を好む聴き手がいても何ら不思議ではない。

第13番及び大フーガは、ベートーヴェンが最晩年に作曲した最後の弦楽四重奏曲でもあり、その内容の深遠さには尋常ならざるものがあることから、前述のアルバン・ベルク弦楽四重奏団などによる名演などと比較すると、今一つ内容の踏み込み不足を感じさせないわけではないが、これだけ楽曲の魅力を安定した気持ちで堪能することができる本演奏に文句は言えまい。

いずれにしても、本盤の演奏は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の魅力を安定した気持ちで味わうことが可能な演奏としては最右翼に掲げられる素晴らしい名演と高く評価したい。

音質は、1965年のスタジオ録音ではあるが、比較的満足できるものであった。

しかしながら、今般、前述のようについにシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤が発売される運びになった。

本シングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤は、従来CD盤とはそもそも次元が異なる極上の高音質であり、音質の鮮明さ、音圧、音場の広さのどれをとっても一級品の仕上がりである。

4人の各奏者の弦楽器の音色が見事に分離して聴こえるのは殆ど驚異的ですらある。

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スメタナ弦楽四重奏団によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲の名演としては、1976〜1985年という約10年の歳月をかけてスタジオ録音したベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集が名高い。

さすがに、個性的という意味では、アルバン・ベルク弦楽四重奏団による全集(1978〜1983年)や、近年のタカーチ弦楽四重奏団による全集(2002年)などに敵わないと言えなくもないが、スメタナ四重奏団の息の合った絶妙のアンサンブル、そして、いささかもあざとさを感じさせない自然体のアプローチは、ベートーヴェンの音楽の美しさや魅力をダイレクトに聴き手に伝えることに大きく貢献している。

もちろん、自然体といっても、ここぞという時の重量感溢れる力強さにもいささかの不足はないところであり、いい意味での剛柔バランスのとれた美しい演奏というのが、スメタナ弦楽四重奏団による演奏の最大の美質と言っても過言ではあるまい。

ベートーヴェンの楽曲というだけで、やたら肩に力が入ったり、はたまた威圧の対象とするような居丈高な演奏も散見されるところであるが、スメタナ弦楽四重奏団による演奏にはそのような力みや尊大さは皆無。

ベートーヴェンの音楽の美しさや魅力を真摯かつダイレクトに聴き手に伝えることに腐心しているとも言えるところであり、まさに音楽そのものを語らせる演奏に徹していると言っても過言ではあるまい。

本盤に収められたベートーヴェンの弦楽四重奏曲第12番及び第14番は、前述の名盤の誉れ高い全集に収められた弦楽四重奏曲第12番及び第14番の演奏(1981年ほか)の約10年前の演奏(1970〜1971年)だ。

全集があまりにも名高いことから、本盤の演奏はいささか影が薄い存在になりつつあるとも言えるが、メンバーが壮年期を迎えた頃のスメタナ弦楽四重奏団を代表する素晴らしい名演と高く評価したい。

演奏の基本的なアプローチについては、後年の全集の演奏とさしたる違いはないと言える。

しかしながら、各メンバーが壮年期の心身ともに充実していた時期であったこともあり、後年の演奏にはない、畳み掛けていくような気迫や切れば血が噴き出してくるような強靭な生命力が演奏全体に漲っている。

したがって、後年の円熟の名演よりも本盤の演奏の方を好む聴き手がいても何ら不思議ではないとも言える。

第12番及び第14番は、ベートーヴェンが最晩年に作曲した最後の弦楽四重奏曲でもあり、その内容の深遠さには尋常ならざるものがあることから、前述のアルバン・ベルク弦楽四重奏団などによる名演などと比較すると、今一つ内容の踏み込み不足を感じさせないわけではないが、これだけ楽曲の魅力を安定した気持ちで堪能することができる本演奏に文句は言えまい。

いずれにしても、本盤の演奏は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の魅力を安定した気持ちで味わうことが可能な演奏としては最右翼に掲げられる素晴らしい名演と高く評価したい。

音質は、1970年代初頭のスタジオ録音ではあるが、比較的満足できるものであった。

しかしながら、今般、前述のようについにシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤が発売される運びになった。

本シングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤は、従来CD盤とはそもそも次元が異なる極上の高音質であり、音質の鮮明さ、音圧、音場の広さのどれをとっても一級品の仕上がりである。

4人の各奏者の弦楽器の音色が見事に分離して聴こえるのは殆ど驚異的ですらある。

いずれにしても、スメタナ弦楽四重奏団による素晴らしい名演を、このような極上の高音質SACD盤で味わうことができるのを大いに喜びたい。

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2012年01月01日


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この曲を看板曲としているカルテットだけあってズバ抜けてうまい。練れたアンサンブルとその彫琢された豊かな表現には魅了される。

その名を冠する彼らにとって特別の作品であることをまざまざと知らしめる、親密な共感と圧倒的な感動に裏付けられた名演。

スメタナ四重奏団にとって両曲とも3回目の録音だが、録音のたびごとに、その演奏には円熟度が増してきており、お手のものの作品に新しい気迫をもってのぞんでいる。

アンサンブルのよさはいまさら強調するまでもないが、堅固なまとまりを少しもくずすことなく、表現はきわめて積極的だ。

お国ものの強みはここでも存分に発揮されており、両曲の第2楽章でのポルカのリズムの切れ味のよさ、素朴な民族性の発露などは、その好例。

ボヘミア風ともいえるリズムや楽想の処理のうまさには、このカルテットならではのものがある。

そのボヘミアの香り漂う抒情味豊かな歌いまわしのうまさはやはり比類のないものだ。

4人で合奏していることを忘れさせるくらい、アンサンブルは精妙で隙がなく、しかも音楽が完全に彼らの言葉として熟れきっている。

こうした演奏にこめられた気迫は音楽を情熱のこもったものに仕上げ、特に第2番に迫力がある。

また第1番第4楽章の後半の絶望的な暗い響きは聴き手の胸を強く締めつける。

この2曲の演奏史に加えるべき1枚。

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2011年01月17日


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4種類あるスメタナSQのヤナーチェクの弦楽四重奏曲2曲のなかの3度目の録音。

成り立ちについても、解釈演奏についても、論議の的となってきた第1番は、この時からその前年に出版されたこの四重奏団のヴィオラ奏者シュカンパが徹底的に校訂し直した版が使われ、それまでの演奏に比べてテンポの緩急や強弱の対比の幅が広がり、それだけに激しい起伏に富んだ、彫りの深い音楽として響くようになっている。

とくに第3楽章がそうで、終楽章との対照も一段と明瞭になり、標題音楽的な意図がそれまで以上に明らかになっている。

こうした校訂の基本姿勢は、いちおう従来の版に従っていた第2番の解釈演奏にも、おのずから反映されている。

スメタナSQは初来日の時、このヤナーチェクを暗譜で演奏して聴衆をびっくりさせたというが、これは彼らの円熟をよく示している。

各声部が精妙に絡み合い、響きは安定し、表情は多様。

そうした中でヤナーチェク独特のヒューマニズムを感じさせる。

しかもこの作曲家が好んだモティーフの構成やリズムもはっきり打ち出している。

こうしたことはチェコの団体でなければ不可能だろう。

長年彼らが主要レパートリーとして演奏してきた作品だけに、作品自体がすでに彼らの血肉と化している。

彼らが自らの言葉で語り、訴えているかのように、あらゆる音が緻密な表情をもって息づいている。

ヤナーチェクが表現したかったドラマの世界が、暗譜演奏の興奮を伴って、いとも解明に表出されている。

1979年の実況録音も良いが、当盤の方がより精度が高い。

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2010年06月12日


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モーツァルトの6曲の弦楽五重奏曲は、この天才作曲家全作品のなかでも異彩を放っている傑作だけに名演が多い。

1966年録音のブダペスト弦楽四重奏団にトランプラーのヴィオラが加わった演奏は、この名作を紹介するのに大きな力となった。

チェコのスメタナ四重奏団の演奏は、決して派手ではなかったが、誠実そのもののその渋い演奏は、特に日本の愛好家に好まれた。

日本コロムビアがデジタル録音の先鞭としてPCM録音機を開発、1976年(昭和51年)にまだ大型のその録音機をヨーロッパに空輸して、チェコで録音したのが、弦楽五重奏曲の第3番と第4番であった。

スメタナ四重奏団にヴァイオリンの名手ヨセフ・スークが第1ヴィオラとして特別に加わったこの演奏は、当時の最高の音質とスメタナ四重奏団とスークの見事に整えられた演奏によって、その年度の話題盤となった。

このシリーズの第2回目の録音は1981年の第2番と第6番、そして83年に第1番と第5番を録音し、いずれもデジタル録音で全曲の形となった。

先年解散してしまったスメタナ四重奏団の残した名演として、この6曲の演奏は貴重なものとなっている。

スークがスメタナ四重奏団によく溶け込み、きわめて精緻なアンサンブルとなっている。

その顔合わせと芸術的水準の高さは室内楽ファンを魅了してやまない。

特にスメタナ四重奏団、そしてスークの全盛期に録音した第3番と第4番の演奏は、ブダペスト弦楽四重奏団とトランプラーの熱演と対極をなす名演として語り継がれよう。

正確・精妙さに加え、功成り名を遂げたスメタナの、ゆとりのある演奏が楽しめる。

"まろやかな"モーツァルトを好む人にはぴったりだろう。

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2009年11月05日


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スメタナ四重奏団5度目の《アメリカ》が素晴らしい。

彼らの演奏の中でもひときわ精彩にあふれた名演で、技巧的な面でも信じられないほどの充実ぶりだ。

しかし、この演奏で感動を受けるのは、そういう技巧の若返りもさることながら、表現が曲の隅々まで掘り下げられ、また練り上げられ、どの部分を取ってもこれ以外にやりようがないと思えるほどの説得力を発揮していることだ。

どの音もどの表情も、メンバーの血となり、肉となっている。

スメタナ四重奏団は、その長い歴史のなかで恐らくはほとんどすべての弦楽四重奏曲のレパートリーを取り上げ切ったのではないだろうか。

そう思えるほど古典派からロマン派にかけての主要な弦楽四重奏曲作品の演奏を思い出すことができる。

数度にわたったベートーヴェン全集録音の偉業も忘れられないが、彼らが最も得意としたのが同郷の作曲家スメタナとドヴォルザーク作品であったことも確かだ。

聴いていて絶対的信頼感が持てること、そして、いわゆる民族主義的特性をもつドヴォルザークの音楽語法を母国の誇りとし、自らの血と肉としている強み、というか自信が演奏に表われている。

《アメリカ》は確かにボヘミアではない。しかし、新大陸から祖国を思う作曲家の心情に共感しているスメタナ四重奏団の気持ちが演奏を聴いていて伝わってくるようだ。

冒頭楽章の軽快さと律動感、緩徐楽章を支配する哀愁、第3,4楽章のリズムの躍動と旋律の彫琢などが聴きどころだ。

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2009年10月09日


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精緻な合奏力のうちに作品の深い読みがうかがわれる、全体に極めて高い水準を保った演奏である。

初期では第6番が傑出した出来映えで、端然とした造形のなかでの運動性の豊かさ、合奏の精緻さが生み出す透徹した完成度の高さは比類がない。

第4番も聴く者の胸に迫る演奏となっているが、それを一層強くするために、多少速めのテンポをとっている。

「ラズモフスキー第1番」がスケールの大きな演奏で光っているが、中期の中では「セリオーソ」が素晴らしく、名演の多いスメタナのベートーヴェンの中でも、最高の高みに達したものの1つだろう。

しなやかでこなれた精妙なアンサンブルの美しさや抒情の深さと共に、強靭無比な音楽的骨格が共存し、ベートーヴェンの悲痛な心情を伝えるかのようなドラマが繰り広げられ、感動的だ。

後期の曲では、第13番が最も充実した緊張力をもっている。

ギスギスしたところがなく、手なれていながらも常に新しい解釈を求め、いかなる動機の処理に対しても入念さがあるなど、いわば内面を抉り出すような演奏で、ベートーヴェンの晩年の心情を如実に伝えている。

第15番の圧倒的なコーダの悲劇的な盛り上がり、第16番のアンサンブルの緊密さも驚くほどだ。

ここには、弦楽四重奏というものの理想像が表されているといっても過言ではない。

気品高く、まれにみる4弦の統合と音楽的統一を達成している。

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2008年12月29日


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ピアニストのハーラは、1928年、南ボヘミアのピセクに生まれた。

プラハ音楽アカデミーを卒業してからただちにソリストとして活躍、1952年からスーク・トリオのメンバーとなり、室内楽の分野でも積極的な活動をおこなった。

これは、ピアノと弦楽器との均衡が、きわめてうまくとれた演奏で、ピアノのハーラが巧みにリードしながら要所をぴたりと押さえている。

アンサンブルは、高度に練りあげられ、5人のリズム感は実にしっかりとしている。

5人全員のアンサンブルが実に高度に練りあげられ、リズム感はぴったりと揃い、躍動感にあふれ、美しさをみなぎらせている。

全体的にピアノのハーラが音楽の流れの根幹をつくっていて、うまくリードし、要所要所を引き締めて、室内楽的バランスをとっている。

全体の流れは瑞々しく、生き生きとした光り輝く大きな川の流れを思わせる。

緊迫感と抒情を配慮し、きわめて聴きがいのある演奏になっている。

この楽団にとって3回目の録音。

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2008年04月15日


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スメタナ四重奏団は、1945年に創立され、1988年に解散したチェコの代表的なカルテットである。

創立以来4人のメンバーは全く変わっておらず、しかも数多いレパートリーをもっていたが、それらの作品のほとんど全てを暗譜で演奏する。

これは簡単にできる技ではない。

だからこそ、あのような細部にいたるまで磨き抜かれた柔軟性のある精緻な演奏が生まれるのである。

この「ひばり」もそうしたスメタナ四重奏団の特色がよくあらわれた演奏で、みごとなアンサンブルときめこまかい流麗な表現は絶品である。

テンポの設定も的確で、フレーズの切り方もすこぶるうまい。

第1楽章の有名な第1主題を聴いただけでもそれがよくわかる。

第3楽章のメヌエットの対位法的な処理の巧みさや、第4楽章の緊張した迫力のある演奏も抜群だ。

この「ひばり」と「鳥」のハイドンの2曲は、極めてさわやかな演奏で、テンポ設定にも無理がなく、音楽の流れも自然だ。

「ひばり」は、まるで春の陽光を感じさせるようで出色の出来。

「鳥」にも愛らしさと端正さがある。

メンデルスゾーンの八重奏曲は、スメタナとパノハ両団の音楽的年齢差にかかわらず、見事なアンサンブルで、厳しくすさまじい緊張感をみなぎらせており、しかも表情も豊かだ。

そこには、ロマン的な詩情と熱気もある。

1980年来日公演時のライヴ録音だが、その演奏には少しも古さがなく、むしろ聴くたびごとに新鮮さを感じる。

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2007年12月20日


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引退した1989年まで、弦楽四重奏界の帝王として君臨したスメタナSQが、その活躍後期にデンオンにデジタル録音した多くのアルバムの中でも出色の出来栄えを示すもの。

スメタナSQにとって、ヤナーチェクの2曲の弦楽四重奏曲が、スメタナやドヴォルザークのそれとともに、きわめて重要な意義を持つレパートリーであることはいうまでもあるまい。

両曲とも他の追随を許さない立派な演奏が繰り広げられている。

ボヘミアとともにチェコと呼ばれるモラヴィアのこの作曲家が、トルストイの文学作品や自己のかくれた愛を彼らは回を重ねて録音しているが、これは、1979年10月10日のプラハでのライヴで、彼らにとって4回目のものということになる。

もちろん同郷人という血から来る深い共感が随所に滲み出ていることは言うまでもないが、そうしたものにとどまらず、作品に対する理解に並々ならぬものがあり、各フレーズに込められた意味の深さ、イメージの豊かさ、それらから生み出される説得力の大きさは尋常ではない。

そこでは、それまでの彼らの蓄積が充分に生かされ、いわば作曲家の内心にまで入り込み、その言わんとするところを作曲家に代わってドラマティックに語っているようにも見える。

4人が作品を暗譜してしまうほど弾き込んでいるだけに、単にアンサンブルの精度が高いといった言葉では済まされないような密度の濃さがある。

4人の奏者が一心同体となって作品の深部に迫ってゆくが、その際微妙に絡み合う声部が生み出す表情が生きているし、リズムに自発性があって活力がある。

彼らにとっても記念すべき録音の一つだろう。

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