東京SQ

2015年06月19日


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世界各地での全曲演奏と並行して行われたこの全集は、のびやかで豊麗な音色で描き出された東京クヮルテットならではのベートーヴェン像を確立した名盤。

東京クヮルテットは、弦楽四重奏団の名称に「東京」の名を冠していても、日本人の奏者は2人しかおらず、しかも、結成してから40年が経って、その間にメンバーの入れ替わりがあり、一時は音色の調和に苦労した時期があったようでもある。

しかしながら、本盤に収められた演奏においては、そのような苦難を克服し、息の合った絶妙のアンサンブルを披露してくれており、今や、この団体が円熟の境地にあることを感じさせてくれるのが素晴らしい。

すべての奏者の音色が見事に融合した、息の合った絶妙なアンサンブルを披露しており、この楽団の近年における充実ぶりを味わうことが可能だ。

もちろん、円熟と言っても穏健一辺倒ではなく、第10番の第3楽章や第11番の第1楽章及び第3楽章における気迫溢れる演奏は、凄みさえ感じさせる圧巻の迫力を誇っている。

世界に6セットしか存在していないとされているパガニーニ選定によるストラディバリウスを使用しているというのも、本団体、そして本演奏における最大の魅力でもあり、4人の奏者が奏でる音色の美しさには出色のものがある。

それによって醸し出される独特の美しい音色は、そうした豊かな音楽性に満ち溢れた優美さをさらに助長するものであると考える。

本演奏には、例えば、先般、惜しまれる中で解散したアルバン・ベルク弦楽四重奏団や、今を時めくカルミナ弦楽四重奏団のように聴き手を驚かすような特別な個性があるわけではないが、かつてのスメタナ弦楽四重奏団と同様に、楽想を精緻に、そして情感豊かに描き出して行くというものであり、音楽そのものの美しさを聴き手にダイレクトに伝えてくれている。

初期の弦楽四重奏曲では、むしろ、このような自然体のオーソドックスな演奏の方がより適していると言えるのかもしれない。

中期の弦楽四重奏曲の演奏ももちろん素晴らしいが、ことに後期の弦楽四重奏曲は、弾きこなすのに卓越した技量を要するとともに、その内容の精神的な深みにおいても突出した存在である。

交響曲で言えば第9番、ピアノ・ソナタで言えば第30〜32番、合唱曲で言えばミサ・ソレムニスに匹敵する奥深い内容を有した至高の名作であり、その深遠な世界を表現するには、生半可な演奏では到底かなわないと言える。

このような高峰に聳える名作だけに、これまで様々な弦楽四重奏団によって、多種多様な名演が繰り広げられてきた。

したがって、並大抵の演奏では、海千山千の名演の中で、とてもその存在価値を発揮することは困難である。

そこで、この東京クヮルテットによる演奏であるが、そのアプローチは、これまでの他の弦楽四重奏曲とは何ら変わるところがない。

曲想を精緻に、そして情感豊かに描き出して行くというものだ。

したがって、聴き手を驚かすような特別な個性などは薬にしたくもなく、楽曲の本質に鋭く切り込んでいくような凄みにも欠けている。

しかしながら、いささかも奇を衒わない真摯な姿勢は、かつてのスメタナ四重奏団による名演奏を彷彿とさせるような、豊かな音楽性に満ち溢れた優美さを兼ね備えていると言えるのではないか。

このように、ベートーヴェンの名作群を、ゆったりとした気持ちで満喫させてくれるという意味においては、過去の様々な名演にも決して引けを取らない素晴らしい名演と高く評価したいと考える。

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2013年08月23日


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東京弦楽四重奏団による2度目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集のトリを飾る後期弦楽四重奏曲集の登場だ。

ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲集(第12〜16番)は、弾きこなすのに卓越した技量を要するとともに、その内容の精神的な深みにおいても突出した存在である。

交響曲でいえば第9番、ピアノ・ソナタでいえば第30〜32番、合唱曲で言えばミサ・ソレムニスに匹敵する奥深い内容を有した至高の名作であり、その深遠な世界を表現するには、生半可な演奏では到底かなわない。

このような高峰に聳える名作だけに、これまで様々な弦楽四重奏団によって、多種多様な名演が繰り広げられてきた。

したがって、並大抵の演奏では、海千山千の名演の中で、とてもその存在価値を発揮することは困難である。

そこで、この東京弦楽四重奏団による演奏であるが、そのアプローチは、これまでの他の弦楽四重奏曲とは何ら変わるところがない。

曲想を精緻に、そして情感豊かに描き出して行くというものだ。

したがって、聴き手を驚かすような特別な個性などは薬にしたくもなく、楽曲の本質に鋭く切り込んでいくような凄みにもやや欠けている。

しかしながら、いささかも奇を衒わない真摯な姿勢は、かつてのスメタナ四重奏団による名演奏を彷彿とさせるような、豊かな音楽性に満ち溢れた優美さを兼ね備えていると言えるのではないか。

東京弦楽四重奏団の各奏者は、世界に6セットしかないと言われているパガニーニ選定のストラディヴァリウスを使用しており、それによって醸し出される独特の美しい音色は、そうした豊かな音楽性に満ち溢れた優美さをさらに助長するものである。

また、4人の奏者による息の合った絶妙なアンサンブルも、そうした優美な演奏に一役買っていることも忘れてはならない。

いずれにしても、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲集の演奏に何を求めるのかによって、賛否両論が生ずる演奏ではあると思うが、筆者としては、楽曲の魅力をゆったりとした気持ちが味わうことができるという意味において、素晴らしい名演と高く評価したい。

マルチチャンネル付きのSACDによる、各奏者の微妙な弓使いまで捉えた極上の高音質録音も、本盤の価値をより一層高めることに大きく貢献している点も忘れてはならない。

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東京弦楽四重奏団による2度目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集録音の第3弾の登場だ。

第3弾においては、中期から後期への橋渡しとなる第10番と第11番を収録。

「ハープ」、「セリオーソ」という、愛称を有した楽曲どうしの組み合わせだ。

いずれも、第1弾(第7〜第9番のいわゆるラズモフスキー3部作)及び第2弾(第1〜第6番の初期の弦楽四重奏曲)と同様の素晴らしい名演と高く評価したい。

本演奏における東京弦楽四重奏団のアプローチは、これまでのものと何ら変わるところがない。

楽想を精緻に、そして情感豊かに描き出して行くというものだ。

本盤に収められた両曲は、その愛称の所以にもなっているが、ピツィカートやユニゾンなどに独特の音型があらわれるのを大きな特徴としている。

こうした特徴的な音型において、東京弦楽四重奏団の4人の奏者が使用している、世界にも6セットしかないとされているパガニーニ選定の銘器ストラディバリウスによる独特の美しい音色による表現は実に効果的であり、両曲の演奏をより一層魅力的なものとする結果に繋がっていることを忘れてはならない。

東京弦楽四重奏団は、既に結成以来40年以上が経過しているが、その間にメンバー交代があり、現在では日本人奏者が2人しかおらず、一時は音色の調和に苦しんだ時期もあったと言われているが、本演奏においては、そのような苦難を克服し、息の合った絶妙のアンサンブルを披露してくれており、今や、この団体が円熟の境地にあることを感じさせてくれるのが素晴らしい。

もちろん、円熟と言っても穏健一辺倒ではなく、第10番の第3楽章や第11番の第1楽章及び第3楽章における気迫溢れる演奏は、凄みさえ感じさせる圧巻の迫力を誇っている。

いずれにしても、本演奏においては、聴き手を驚かすような特別な個性があるわけではないが、いささかも奇を衒うことがなく、これらの作品の持つ魅力をゆったりとした気持ちで満喫することが可能であるという点においては、過去の様々な個性的な名演にも決して引けを取らない名演である。

マルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質録音も、本盤の価値をより一層高めるのに大きく貢献している。

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東京弦楽四重奏団による2度目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集の第2弾であるが、本盤には、初期の弦楽四重奏曲6曲が収められている。

いずれの楽曲の演奏も、第1弾と同様の素晴らしい名演と高く評価したい。

東京弦楽四重奏団のアプローチは、第1弾と何ら変わるところはない。

それは、曲想を精緻に、そして情感豊かに描き出して行くというものであり、それ故に、ベートーヴェンの音楽の魅力をゆったりとした気持ちで満喫できるというのが、何よりも本演奏の最大の長所である。

世界に6セットしか存在しないと言われているパガニーニ選定によるストラディヴァリウスを使用しているというのも本団体の、そして本演奏の魅力の一つであり、4人の奏者が醸し出す音色の美しさは、抗し難い魅力に満ち溢れている。

また、4人の奏者による息の合った鉄壁のアンサンブルも見事であり、一時は、団員の入れ替わりによって不調が伝えられたとは思えないような、円熟の演奏を聴かせてくれているのが素晴らしい。

この演奏には、かつてのアルバン・ベルク弦楽四重奏団やカルミナ弦楽四重奏団のような、聴き手を驚かすような特別な個性があるわけではないが、楽曲が初期の弦楽四重奏曲だけに、むしろ、このような自然体のオーソドックスな演奏の方がより適していると言えるのかもしれない。

本演奏で残念なのは、他の弦楽四重奏曲は、マルチチャンネル付きのSACDで発売されているにもかかわらず、従来CDでしか発売されていないということだ。

その理由は定かではないが、おそらくは初期の弦楽四重奏曲であるということが理由なのかもしれない。

従来CDであっても録音自体は非常に鮮明ではあるが、マルチチャンネル付きのSACDとは比べるべくもないと思われる。

いずれにしても、本演奏自体の素晴らしさに鑑み、今後のSACD化を大いに望みたいと思う。

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東京弦楽四重奏団による2度目のベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集の第1弾であるが、こうした記念すべき第1弾において、いきなり、ベートーヴェンの中期の傑作であるラズモフスキー3部作を採り上げたところに、この団体の確かなる自信が感じられる。

東京弦楽四重奏団は、弦楽四重奏団の名称に「東京」の名を冠していても、日本人の奏者は2人しかおらず、しかも、結成してから40年が経って、その間にメンバーの入れ替わりがあり、一時は音色の調和に苦労した時期があったようでもある。

しかしながら、本盤に収められた演奏においては、すべての奏者の音色が見事に融合した、息の合った絶妙なアンサンブルを披露しており、この楽団の近年における充実ぶりを味わうことが可能だ。

世界に6セットしか存在していないとされているパガニーニ選定によるストラディバリウスを使用しているというのも、本団体、そして本演奏における最大の魅力でもあり、4人の奏者が奏でる音色の美しさには出色のものがある。

本演奏には、例えば、先般、惜しまれる中で解散したアルバン・ベルク弦楽四重奏団や、今を時めくカルミナ弦楽四重奏団のような特別な個性があるわけではないが、かつてのスメタナ弦楽四重奏団と同様に、楽想を精緻に、そして情感豊かに描き出して行くというものであり、音楽そのものの美しさを聴き手にダイレクトに伝えてくれている。

このように、ベートーヴェンの作曲したラズモフスキー3部作を、ゆったりとした気持ちで満喫させてくれるという意味においては、過去の様々な名演にも決して引けを取らない素晴らしい名演と高く評価したい。

さらに、本盤の魅力は、マルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質録音である。

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲のSACD盤は、現在のところ希少な存在であり、その意味でも本盤の価値は非常に高いものがある。

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2013年06月09日


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シューベルトの室内楽曲の最高峰、それどころかシューベルトによるあらゆる楽曲の最高傑作の一つでもある弦楽五重奏曲ハ長調は、シューベルトの最晩年の心底に潜む寂寥感が随所に滲み出てくるような旋律の清澄な美しさが魅力の珠玉の名品である。

これだけの傑作であるにもかかわらず、同曲のSACD盤は現在においても存在していない。

特に、第2楽章のこの世のものとは思えないような繊細な美しさは、SACDによる高音質によってはじめてその真の魅力を味わうことが可能と言っても過言ではあるまい。

そのような長年の渇きを癒してくれる素晴らしいSACD盤が登場したのは何という素晴らしいことであろうか。

しかも、マルチチャンネルが付いていることもあって、臨場感溢れる音場の幅広さには出色のものがあり、同曲の美しさ、素晴らしさを望み得る最高の音質で味わうことができるという本盤の意義は極めて大きいと言わざるを得ないだろう。

そして、演奏内容も実に素晴らしい。

東京弦楽四重奏団に、ベテランのチェロ奏者であるデイヴィッド・ワトキンを加えたアンサンブルは絶妙であり、その息の合った名コンビぶりは、本名演に大きく貢献していると言ってもいいのではないだろうか。

また、東京弦楽四重奏団とデイヴィッド・ワトキンによる本演奏におけるアプローチは、曲想を精緻に、そして情感豊かに描き出していくというオーソドックスとも言えるものだ。

したがって、聴き手を驚かすような特別な個性などは薬にしたくもないが、それでも淡々と流れていく各旋律の端々からは、独特の豊かな情感が滲み出していると言えるところであり、シューベルトの最晩年の心底にある寂寥感や絶望感をほのかに感じさせてくれるのが見事である。

また、東京弦楽四重奏団の各奏者は、世界に6セットしかないと言われているパガニーニ選定のストラディヴァリウスを使用しており、それによって醸し出される独特の美しい音色は、本演奏に独特の潤いと温もりを付加させているのを忘れてはならない。

併録の、弦楽四重奏曲第12番ハ短調「四重奏断章」も、東京弦楽四重奏団のかかる美質があらわれた素晴らしい名演に仕上がっていると評価したい。

そして、本盤で素晴らしいのは、前述のようにマルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質録音である。

音質の鮮明さ、臨場感など、どれも一級品の仕上がりであり、あらためてSACD盤の潜在能力の高さを思い知った次第だ。

いずれにしても、シューベルトの最晩年の最高傑作である弦楽五重奏曲の東京弦楽四重奏団とデイヴィッド・ワトキンによる素晴らしい名演を、マルチチャンネル付きのSACDによる極上の高音質で味わうことができるのを大いに喜びたい。

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