ブダペストSQ

2017年05月13日


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1917年にブダペスト国立歌劇場のメンバーによって結成されたハンガリーの代表的室内楽団ブダペスト四重奏団は、1967年にちょうど半世紀にわたって個性的な活動を繰り広げた20世紀最高の四重奏団である。

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集の黎明期ともいえるSP期から数えると、何と3回もの全曲録音(1回目は1曲欠ける)を行なっているブダペスト四重奏団は、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲に生涯を捧げた歴史がある。

1917年からのSP期に第1回、1952年のLP期に第2回、1958年のステレオ期に第3回と、1967年に解散するまで何かとベートーヴェンとのかかわりをもってきた。

このステレオ期の1958年から61年にかけてニューヨークで録音された全集は、ブダペストのそれまでの至芸の総決算といえるもので、ベートーヴェンの本質に肉薄したその演奏は、人間ベートーヴェンの精神性を見事に語り尽くしている。

いわばロシア人だけによるメンバーが復活してからのことであり、このアンサンブルが円熟期を迎えていた時のことである。

ロイスマン、アレクサンダー・シュナイダー、クロイト、ミッシャ・シュナイダーという4人が、その顔ぶれであった。

この顔合わせは、1917年に創設された際のメンバーが、すべて姿を消した1936年に発足したことになる。

もっとも、1944年に第2ヴァイオリンが交代したため、一時変わってしまい、1955年に再び顔をそろえたのであった。

4人がすべてロシア人でありながら、教育はドイツ・オーストリアで受けており、1938年からは、アメリカのワシントン国立図書館に所属していたということを考えると、この名称がかなり奇異に感じられるのも事実だが、意外にブダペスト四重奏団として自然に受け取られていたのも興味深い。

その主軸を占めたのは、新即物主義的なロイスマンであり、彼が主導しながら、その演奏では、4人の平等なる均衡のもとに緊密なアンサンブルが築かれていた。

そのベートーヴェンは、彼らにとってのひとつの究極であり、彼らの音楽も哲学も、そして理念もすべてそこに集約されており、弦楽四重奏のひとつの規範もそこに示されている。

ベートーヴェンの楽譜を深く洞察することによって、音楽の表現に欠くべからざるもののみを有機的に結合させ、作品を構造的に抽出している。

技術的には衰えを見せてはいるものの、聴く度ごとに新たな発見を見出すことのできるレコード史上の一大金字塔と言っても過言ではあるまい。

録音は古くなったが、1967年に解散したこの団体の演奏は、歴史の浅い弦楽四重奏団からは味わえないような風格が感じられる。

初期の作品から、後期の作品に至るまで、常に厳しい姿勢で貫かれ、音楽の内面をじっと凝視するかのような鋭さをもっている。

それだけに、現在聴くと、表情の柔らかさにはやや乏しく、演奏スタイルも古めかしいが、そういったものを越えた、精神的な充実ぶりが、感動を呼ぶ。

ブダペスト四重奏団の残した数多くの遺産のうちでも最高のものといってよく、この弦楽四重奏曲集の音楽特性をこれほど豊かに表現した演奏というのも少ない。

今後このような演奏が再び生まれてくる可能性はまずない。

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2009年02月26日


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ゼルキンとブダペスト四重奏団のシューマンのピアノ五重奏曲は、この顔合わせであればこそできたスケールの大きな演奏である。

ゼルキンは、持ち前の表現意欲でぐいぐいと弾き込んでゆく。

ブダペスト四重奏団は、強固な合奏力と豊かな表情で、そのゼルキンの濃厚な表現の力、強靭なデュナーミクと五分に渡り合う。

新即物主義から出発したブダペスト四重奏団だが、ステレオ時代に入ってからは、そうした客観性を基盤としながらも表現の自由さと大きな振幅を身につけ、より鮮烈な情動を秘めた演奏を展開するようになってきていた。

しかもシューマンらしい内省にも事欠かない。

ここに聴かれるゼルキンとブダペスト四重奏団は、強烈な音楽的個性が対等にぶつかったときだけに聴かれる、室内楽の醍醐味のひとつの極致を余すところなく示している。

ヴェテランの熱演だが、単に情熱的というだけではなくテンポをかなり自在に動かし、ロマン的に歌いあげていて、緩急自在のその音楽運びはさすがに味わい深い。

カップリングのブラームスの弦楽四重奏曲第3番は情熱の奔流をいくぶん抑えようとしているようだが、時にコントロールが利きかねるところがある。

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2009年01月26日


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ブダペスト四重奏団による実に3回目の全集録音。

ブダペスト四重奏団は活動当時とかく"新即物主義の旗手"のように言われたが、いま聴くとつねに情感の張りつめた、むしろロマンティックな感動を伝える演奏を行なっている。

まろやかでバランスの良いアンサンブルの妙がまさに限りないブダペスト四重奏団の演奏は、これ以上ないほどにコクがあり、味わいの深さに於いて他者の追随を許すことのない熱演となっている。

ブダペスト四重奏団の演奏には寸分の隙もない。

アンサンブルが緊密で、細部にいたるまで神経がよく行き届いた演奏だ。

細かな表情にまで気を配り、しっかりとした構築美の中に燃えるような熱気をおいたり、のびのびとした抒情を盛り込んだりしているため、どの曲も聴き応えのあるものになっている。

構成もがっしりとしていて格調の高い演奏である。

特に、有名な第4番第1楽章のアレグロや第3楽章アダージョ・マ・ノン・トロッポなどの演奏は、この曲のもつ悲劇的な性格を見事に表出している。

これだけの全集でありながら、どの曲にも演奏にムラがないというのもさすがだ。

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2009年01月03日


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ブダペスト弦楽四重奏団は1917年に結成され、27年にヴァイオリンにロイスマンが入って以来世界最高の四重奏団として活躍、戦後アメリカに移って1955年から最後の黄金期に入り、ちょうど開発されたステレオ録音によって多くの名演を残すことができた。

このゼルキンとのブラームスの五重奏曲は、同時期に録音されたブラームスの四重奏曲全集や、ヴィオラにトランプラーが入ってのモーツァルトの弦楽五重奏曲の名演と共に、この四重奏団の代表的な録音とされている。

ブラームスのピアノ五重奏曲はシューマンの同じ五重奏曲と同様に、ピアノと弦が同等に重要な作品で、逞しい力動とロマン的な情緒が演奏に色濃く表れないと面白くない。

ゼルキンは長い期間ブッシュと組んでアンサンブル・ピアニストとして演奏してきた。

このブラームス作品では、そのキャリアが見事に生かされている。

ゼルキンとブダペスト四重奏団が一致協力して生み出すブラームスの重く、苦い感情表現は、さすがにどっしりと根が張っており、リアリティがある。

ブダペスト弦楽四重奏団の緊張感溢れる響きのなかで、ゼルキンのピアノが躍動するその熱演は、現在のクールな四重奏団とピアニストでは望めない厚い密度でもって聴き手を作品の内部へと導いてゆく。

なにかに憑かれたようなブラームスの激しい感情が、とりわけ第4楽章のフィナーレで聴かれるが、その激しさの中に決して晴れることのない胸のつかえがクローズアップされ、聴き手に強く訴えかけてくる。

名クヮルテットと名ピアニストが組んだ、まさに理想的な名演だ。

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2008年01月15日


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最近ブダペスト四重奏団のベートーヴェン弦楽四重奏曲全集が廉価で再発売されて話題になっている。

これは1918年にハウザーを中心に創設され、67年に解散した名団体、ブダペスト四重奏団によるステレオ録音。

現在時点で聴くと、感銘を受ける反面、やはり古めかしいという感じは否定できない。

技術的にいえば、ポルタメントをことさらに使うとか、第1ヴァイオリンが威張り過ぎたり、かすんだりすることがある。

解釈の面では時にロマンティックに沈むかと思うと、かなりドライになったりする。

要するに、立派なことは立派なのだが、もっと全体的に広い意味での様式上のきめこまかい統一がほしいところだ。

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