テレマン

2019年11月24日


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G.Ph.テレマンの作品の中からトラヴェルソとヴィオラ・ダ・ガンバに因んだ8曲を収録したCDで、2001年にカナダのケベックで録音されアトマ・レーベルからリリースされた。

音質が極めて良好で楽器の特質をよく捉えた臨場感を体験できる。

タイトルのレ・ヴォワ・ユメーヌはこのアンサンブルの名称のようだ。

メンバーの中核は二人の女流ガンビスト、スージー・ナッパー及びマーガレット・リトルで通奏低音がエリック・ミルンズのチェンバロになる。

尚バルトールド・クイケンが使用しているトラヴェルソは1730年製のI.H.ロッテンブルグのコピーでピッチはa'=415だが、他のソリスト達の楽器については詳細が書かれていない。

ナッパー、リトルのコンビのアンサンブルは非常に良く練れている上に颯爽とした軽快さが感じられる。

しかもクイケンのトラヴェルソはいつものように決して重くならないので、どちらかというとモダン・バロックの響きが支配的だが、テレマンの音楽特有の喜遊性だけでなく、芸術的な深みにも欠けない優れた演奏だ。

2曲の無伴奏ファンタジーについては、クイケンは1972年に全曲録音をして以来新規にCDを出していないので、彼の近年の解釈の変化を知る上でも興味深い。

曲目はトリオ・ソナタの形式で書かれた『クワドロ』と名付けられたトラヴェルソと2つのガンバ及び通奏低音のための2曲のト長調の作品と、ガンバのための2曲の二重奏ソナタ、(この内の1曲は『カノン風』と題されている)、そしてトラヴェルソとガンバのためのソナタイ短調、トラヴェルソのソロ・ソナタホ短調、その他にニ長調とロ短調の無伴奏ファンタジーということになる。

テレマンは横笛のために膨大な作品を残しているが、またヴィオラ・ダ・ガンバを通奏低音から独立させてソロ楽器としても扱っている。

ガンバは伝統的にアンサンブルの形で使われていたが、サント・コロンブによってそのテクニックが飛躍的に高められたといわれる楽器で、テレマンもそのソロ性に着目している。

ここには収められていないが『パリ・カルテット』がその顕著な例でパリ滞在中に作曲されているのも示唆的だ。

トラヴェルソの柔らかい暖かみのある音色とガンバの雅やかな響きは非常に相性が良く、このCDではこうした特有の感性に焦点を当てた選曲に興味を惹かれる。

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2019年11月14日


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このディスクがリリースされた当初からの愛聴盤で、1997年の録音になる。

その頃無伴奏トラヴェルソのための曲集と言えば、バルトールド・クイケンがオリジナル楽器のG.A.ロッテンブルグを演奏して録音をしたテレマンの『無伴奏フルートのための12のファンタジー』が唯一で、これは当時としては異例に早い1978年のセッションだった。

しかしその後無伴奏の作品のみを集めた企画は、採算性の都合もあって制作されなかったのが実情だろう。

演奏者のベネデク・チャーログはハンガリーの中堅トラヴェルソ奏者で、既にこれまでにも数多くのCDをリリースしている。

その中には普段あまり聴くことができないJ.Ch.バッハの6曲のソナタやコレッリのヴァイオリン・ソナタからの18世紀の編曲版など興味深いものが多い。

この曲集では中心に大バッハの『無伴奏フルートのためのパルティータ』及びC.Ph.E.バッハの『無伴奏フルートのためのソナタイ短調』という、トラヴェルソ用のピースとしては音楽的にも、また技術的にも最高度の表現を要求される2曲を置いて、その他にテレマンの『ファンタジー』から6曲、クヴァンツの組曲とJ.Ch.フィッシャーの『メヌエットのテーマによる変奏』が収録されている。

尚クヴァンツの組曲は独立して書かれたものではなく、彼の『初心者のための練習用小品』からホ短調の舞曲を5曲組み合わせたものになる。

チャーログは音楽的な中庸をわきまえた堅実なテクニックを持った演奏家で、彼の師クイケン譲りのごく正統的で飽きのこない解釈とその再現に特徴がある。

彼がこの録音のために使用している楽器は全曲ともA.G.ロッテンブルグ製作の1745年モデルで、インスブルックの古楽器製作者ルドルフ・トゥッツの手になるコピーだ。

このトラヴェルソは後期バロックを代表する名器で、転調にも比較的強くスケールにもバランスのとれたオールマイティな性能を備えているが、どちらかというとこうした曲目には音色がいくらか軽めで、またf'''音が出しにくい欠点がある。

この音はC.Ph.E.バッハの『ソナタ』に3回現れるが、チャーログは巧妙なテクニックでカバーしてこの難音をクリアーしている。

一方大バッハの『パルティータ』の「アルマンド」には最高音のa'''が使われている。

この演奏で彼は後半部の繰り返しを省略して1回だけに留め、不釣合いな2回の音の突出を回避している。

これらの曲はクイケンやハーゼルゼットなどの大家が、より適したモデルのトラヴェルソを使って演奏しているので、楽器の選択という点でこのセッションが理想的というわけではないが、デビューしたばかりの若手の演奏家の一途な情熱が感じられるところを高く評価したい。

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2019年10月15日


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2007年頃に解散したピリオド楽器を使った合奏団ムジカ・アンティークァ・ケルンの最後の1枚になったディスクで、2004年にケルンで録音されている。

またこの企画のもうひとつのセールス・ポイントは、現在では自ら率いるバロック・アンサンブルと演奏したディスクをリリースしているスイスのリコーダー奏者、モーリス・シュテーガーをゲストに迎えていることで、テレマンのスペシャリストでもある両者の協演がこの曲集を一層楽しく、快活なものにしている。

8曲の四重奏曲が選ばれているが、ここでは客演のシュテーガーが加わる3曲がとりわけ華やいだ雰囲気を持っている。

彼は独特の節回しと自由な装飾音をちりばめて奏するアドリブ精神豊かな演奏家だが、それはリコーダーという楽器の庶民的な性質を活かして、高度な音楽作品にも最大限応用しているからだろう。

指揮とバロック・ヴァイオリン及びヴィオラを兼ねたゲーベルは、生き生きとした喜びの表現の中にテレマンの巧みな作曲技法を明快に伝えている。

この曲集の中ではトラヴェルソとヴァイオリン及びチェロと通奏低音のためのニ短調がテレマンの曲として扱われているが、この曲はヘンデル作としても伝えられている。

実際アクサン・レーベルからリリースされているパルナッスス・アンサンブル、クイケン盤ではヘンデルの『4声のコンチェルトニ短調』と表記されているが、曲想からしてテレマンの真作という古楽学者の見解のようだ。

トラヴェルソはフェレナ・フィッシャーが受け持っている。

残念ながらそれぞれの演奏家の使用楽器については明記されていない。

尚ピッチについてはa'=415のスタンダード・バロック・ピッチを採用している。

録音状態は極めて良好で、鮮明な音質、楽器間のバランスや分離状態も申し分ない。

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2019年09月07日


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G.Ph.テレマンの作品の中からトラヴェルソとヴィオラ・ダ・ガンバに因んだ8曲を収録したディスクで、2001年にカナダのケベックで録音されアトマ・レーベルからリリースされた。

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タイトルのレ・ヴォワ・ユメーヌはこのアンサンブルの名称のようだ。

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尚バルトールド・クイケンが使用しているトラヴェルソは1730年製のI.H.ロッテンブルグのコピーでピッチはa'=415だが、他のソリスト達の楽器については詳細が書かれていない。

ナッパー、リトルのコンビのアンサンブルは非常に良く練れている上に颯爽とした軽快さが感じられる。

しかもクイケンのトラヴェルソはいつものように決して重くならないので、どちらかというとモダン・バロックの響きが支配的だが、テレマンの音楽特有の喜遊性だけでなく、芸術的な深みにも欠けない優れた演奏だ。

2曲の無伴奏ファンタジーについては、クイケンは1972年に全曲録音をして以来新規にCDを出していないので、彼の近年の解釈の変化を知る上でも興味深い。

曲目はトリオ・ソナタの形式で書かれた『クワドロ』と名付けられたトラヴェルソと2つのガンバ及び通奏低音のための2曲のト長調の作品と、ガンバのための2曲の二重奏ソナタ、(この内の1曲は『カノン風』と題されている)、そしてトラヴェルソとガンバのためのソナタイ短調、トラヴェルソのソロ・ソナタホ短調、その他にニ長調とロ短調の無伴奏ファンタジーということになる。

テレマンは横笛のために膨大な作品を残しているが、またヴィオラ・ダ・ガンバを通奏低音から独立させてソロ楽器としても扱っている。

ガンバは伝統的にアンサンブルの形で使われていたが、サント・コロンブによってそのテクニックが飛躍的に高められたといわれる楽器で、テレマンもそのソロ性に着目している。

ここには収められていないが『パリ・カルテット』がその顕著な例でパリ滞在中に作曲されているのも示唆的だ。

トラヴェルソの柔らかい暖かみのある音色とガンバの雅やかな響きは非常に相性が良く、このCDではこうした特有の感性に焦点を当てた選曲に興味を惹かれる。

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2019年08月28日


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華やかさのある美声と超絶的な技巧を持ち、バロックの声楽曲の解釈で高い評価を受け、人気・実力ともに世代を代表するフランスのカウンター・テナー、フィリップ・ジャルスキー。

彼自身のルーツでもあるバロック音楽に立ち返り、バッハとテレマンの宗教カンタータ集で、初の全曲ドイツ語録音作品をリリースした。

これまでに彼はカストラートのために書かれたオペラを中心とするレパートリーで持ち前の柔らかな美声と無理のないリリカルな歌唱力が高く評価されてきた。

言ってみればイタリアやフランスの恋愛のリリシズムの世界をひたすら歌ってきたわけだが、こうした彼の柔軟で優れた表現力がドイツの宗教作品にも応用できることは彼自身承知していた筈だ。

このCDに収録された4曲のカンタータは、いずれもジャルスキーの甘美で華麗な歌唱で満たされている。

子音を強調しない発音がドイツ語らしくはないが、これまでのドイツの宗教曲の解釈に新たな可能性を拓いたと言えないだろうか。

過去にはルネ・ヤーコプスの例もあるが、彼の声質はアルトなのでジャルスキーの方がより可憐で刹那的な魅力を持っている。

バッハの宗教曲だからといってことさら禁欲的である必要はないと思うが、確かに彼の歌には仄かに官能的な色香が漂っていて、祈りの要素が希薄に感じられるかも知れない。

しかし豊かな表現力がそれぞれの作品に充分な説得力を与えていると同時にピリオド・アンサンブル、フライブルク・バロック・オーケストラの渋めの音色がソロに落ち着きを加えて効果的なサポートをしているのも好ましい。

ボーナスDVDには3曲目のバッハのカンタータ『私は満ち足りて』の全曲レコーディング・シーンが収録されている。

指揮者を置かない小編成のフライブルク・バロック・オーケストラとのインティメイトなアンサンブルが映し出されているが、前回のようなジャルスキーのコメントやインタビューは含まれていない。

三面開きのデジパック入りで34ページほどのライナー・ノーツには録音データ、曲目解説の他に収録曲総てのドイツ語歌詞と英、仏語の対訳が掲載されている。

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2019年07月12日


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テルデックに録音されたセルゲイ・ナカリャコフがテルデックに入れた初期の録音集9枚を2巻に分けたボックス・セットを紹介したい。

第1集は、バロックから現代までのトランペット協奏曲を中心に、他の楽器のために書かれた作品の編曲物やオーケストラを伴った小品が、初出時のカップリング6枚でクロノロジカルに収録されている。

それぞれのジャケットもオリジナル・デザインが印刷されていて、さながら彼のブロマイド集といったところだ。

尚トランペット用アレンジの殆んどは彼の父親ミハイル・ナカリャコフが手掛けている。

ナカリャコフは15歳でテルデックと契約して以来、コンサート活動と並行して録音にも積極的に取り組んできたが、この頃は現在の彼の音楽性の深みに比べると、その非凡なテクニックに任せて閃きのままに屈託のない軽快な演奏をしているように聴こえる。

しかし彼の早熟さには天性の才能を感じさせずにはおかないセンスのあるカンタービレや節度を持ったクールな解釈、そしてキレの良い超絶技巧など総てが含まれている。

中でもジョリベやトマジなどの20世紀の作品のスピリットを直感的に捉えた機知は聴きどころのひとつだ。

ボックスの写真にも掲載されているように、ナカリャコフはトランペットだけでなくフリューゲルホーンの名手でもある。

高音はトランペットほど輝かしくない代わりに豊かな低音やメロウで陰翳に富んだ音色の魅力と高い表現力に早くから着目して、現在に至るまで彼は頻繁に演奏しているが、それは彼の音楽性を反映させるには理想的な楽器と言えるだろう。

このセットでも後半のCDでフリューゲルホーンの魅力を堪能できる。

ボックス・セット第2集はピアノ伴奏による小品集で、第1集よりもずっと砕けた親しみ易いレパートリーを集めたものだが、こちらも初出盤のジャケットに収納された3枚組になる。

このセットではトランペットのパガニーニと言わしめた天衣無縫の超絶技巧がこれでもかと満載されていて、ここまでやられるといくらか食傷気味になるが、彼にしてみれば若き日のキャリアの一里塚といったところだろう。

むしろ彼のフレッシュな音楽性と繊細な歌心が充分に発揮されているのは『エレジー』と題された3枚目で、このCDは伴奏者でナカリャコフの姉ヴェラ・ナカリャコワの夫でオペラ歌手だったヴラディミール・ムコフニコフのメモリーに捧げられている。

ナカリャコフは1990年にわずか13歳でフィンランド・コルショルム音楽祭でデビューを飾り、翌年にはザルツブルク音楽祭に登場した早熟のトランペッターだが、才能ある少年少女にとってミュージック産業界もある意味で残酷な世界と言わざるを得ない。

契約当初は高収入を約束されても、彼らが本来の自分の方向性に気付いた時には、その才能も気力も消耗し尽くされてしまっていることがままあるからだ。

しかしナカリャコフの場合自己のコントロールを怠らなかったためか幸いコンサートや録音活動を続けながら、近年更に豊かで味のある演奏を開拓している。

この第2集でもフリューゲルホーンによる高い音楽性の表出は、将来の円熟期を予感させてくれる。

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2019年05月25日


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このアルバムを鑑賞して先ず印象に残るのは音質に優れている点で、教会内の潤沢な残響を含んだ広い音場の中にそれぞれの楽器の定位、楽器同士の独立性やバランス、そして奥行きまでが手に取るように感知できる。

あたかも奏者達が目の前で演奏しているような生々しい臨場感が得られているが、あくまでも自然なサウンドが保たれているのが特徴だ。

またピリオド・アンサンブルでは古楽器特有の繊細で個性的な音色を明瞭に捉えることが課題になるが、レギュラー・フォーマットのCDでもこれだけの音質の再生が可能であることを示したアルファ・クラシックスの録音技術に拘った企画が注目される。

このCDにはジョヴァンニ・アントニーニのリコーダー・ソロによるオットテールの短いプレリュードからアタッカで導かれるテレマンの組曲イ短調を中心にクラリネットの先祖シャリュモーのためのソナタなど5曲が収録されている。

笛のためのバロック組曲と言えば、当時のフランスやドイツの宮廷でもてはやされたトラヴェルソをソロに取り入れた、バッハの管弦楽組曲第2番ロ短調が良く知られたところだが、テレマンの組曲イ短調はその調性と音域から通常リコーダーで演奏されている。

ジェド・ヴェンツがムジカ・アド・レーヌムとトラヴェルソで演奏したのはむしろ稀なサンプルだろう。

アントニーニのリコーダーはテレマンの音楽の本質的な要素、つまり演奏することとそれを聴くことの楽しみを理屈抜きで堪能させてくれる。

屈託のない娯楽性と言ってしまえばそれまでだが、そのためには作曲家の楽器の特性を熟知して最大限に活かすアイデアと創意工夫がある。

演奏者にはそれを実現する巧みな表現力とテクニックが要求されるので、作品の品位を保ちながらも良い意味でのパフォーマンスが欠かせない。

こうした曲集を聴いていると、当時テレマンが作曲家として大バッハよりも庶民的な高い人気を誇っていたことも想像に難くない。

アンサンブルはイル・ジャルディーノ・アルモニコのメンバー7人で、このうち通奏低音にはヴィオローネのほかにチェンバロと大型のリュート、テオルボが加わって彼らの手馴れた即興演奏もテレマンの音楽をより活性化している。

尚メンバー全員の使用楽器はライナー・ノーツに明記されている。ピッチは現代よりほぼ半音ほど低いa'=415Hzのいわゆるスタンダード・バロック・ピッチ。

アントニーニとイル・ジャルディーノ・アルモニコは2014年からハイドンの交響曲全集の制作を企画して目下のところ既に同アルファ・クラシックスから続々リリースされ、録音作業は順調にはかどっているように見える。

完成はハイドン生誕300周年に当たる2032年だが、このCDはその大事業が開始される直前に録音されている。

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2016年12月01日


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古楽界の重鎮であり、トラヴェルソ奏法のパイオニアでもあるバルトールド・クイケンがこれまでにリリースしてきたテレマンの作品を4枚のCDにまとめたアルバムである。

但しこのセットにはソニー音源になるクイケン3兄弟にグスタフ・レオンハルトが加わったパリ・カルテットは組み込まれていない。

彼の演奏はどの曲においても基本的にシンプルで、スリリングな部分こそないが流麗かつ柔軟な演奏にはトラヴェルソの機能を熟知した上でのテクニックの再構築を果たした揺るぎない安定感が感じられる。

尚アンサンブル・パルナッススは彼の兄弟でバロック・ヴァイオリンのシギスヴァルト、ガンバのヴィーラントにチェンバロのロベルト・コーエンが加わったピリオド・アンサンブルの草分けで、ネーデルランド派の手堅い演奏を聴かせている。

CD3及び4の『教則的ソナタ』全12曲ではテレマンによってトラヴェルソのパートは記譜と実際に演奏すべき趣味の良いサンプルが2段に分かれて示されているが、ここでもクイケンの装飾音に関する模範的な解釈を聴くことができる。

一言で言えば中庸をわきまえたイタリア式装飾だが、その再現に当たってはかなり高度なテクニックが隠されていることが理解できる。

またブレスの取り方も巧妙で、押し付けがましさや癖のない演奏は洗練された音楽家、そして勤勉な研究者としてのプロフィールだけでなく後進の指導者としても理想的な存在である筈だ。

ベルギーの古楽器製作者で自身トラヴェルソ奏者のアンドレアス・グラットによって創設されたアクサン・レーベルは、1970年代からピリオド楽器による本格的な古楽演奏をリリースしてきた。

古楽の故郷ネーデルランド出身の奏者を中心に、さまざまなソロ楽器やアンサンブルを高い音楽性で再現した当時としては画期的な企画だった。

当初の録音とその音質はそれほど理想的なものではなかったが、2000年以降機材を一新したことから見違えるほど鮮明な音質になり、ジャケットも気の利いたデザインのデジパックに替わった。

ここに収録されたクイケンの演奏は比較的初期のもので音質的には時代相応といったところだ。

例えば彼の秘蔵オリジナル楽器ロッテンブルクで演奏した『無伴奏トラヴェルソのための12のファンタジー』は初めてのピリオド楽器による全曲録音というだけでなく、トラヴェルソの音楽的な可能性を見事に蘇生させた演奏と言えるだろう。

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2016年10月25日


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2014年8月に亡くなったフランス・ブリュッヘンのテレフンケンレーベル時代の集成である。

発売から大分経過しているが、ブリュッヘンの天才に魅了され大きな影響を受けた筆者としては遅ればせながら追悼の意味で書きたい。

ブリュッヘンは旧テレフンケンの古楽レーベル、ダス・アルテ・ヴェルクにCD12枚分の音源を残している。

ブリュッヘンは1934年生まれだから、これらのセッションは28歳の時に始まり、その後1979年まで17年間続けられた。

当時古楽復興の黎明期にあってリコーダーという、まだその芸術性が確立されていなかった楽器のために、これだけ高いレベルの演奏と量を誇ったシリーズは皆無だった。

ブリュッヘンのリコーダーを支えた通奏低音奏者は幸運にも若き日のグスタフ・レオンハルト、アンナー・ビルスマ、ニコラウス・アーノンクールなどで、その後の彼らの仕事とその功績から言っても、現在ではとても考えられない豪華メンバーだし、アンサンブルとしても万全だったと思う。

やや遅れてブリュッヘンはその新境地をセオン・レーベルから再び一連の笛のための音楽としてリリースすることになるが、こちらも時を同じくしてソニー・ヴィヴァルテから10枚組で復活している。

このセットは当時のブリュッヘンのリコーダー音楽への情熱の結晶であり、それまでの古楽の概念を覆すような彼の斬新かつ鮮烈な奏法と、カリスマ的パフォーマンスで聴く者を魅了する演奏が特徴である。

この時代のブリュッヘンを知っているリコーダー・ファンであれば、懐かしさも手伝ってあの時の感慨が蘇るだろうし、古楽のパイオニアの模範的演奏として入門者にもお薦めできる。

ダス・アルテ・ヴェルクは当時から新進気鋭の演奏家を起用して、演奏内容は勿論、音質の良さとその臨場感で古楽ファンの注目するレーベルだった。

彼らの先見の明によって現在のような古楽鑑賞がごく当たり前に普及し、またその先駆をなした業績は無視できない。

しかし単独で出ていた時には価格も決して安くはなかった。

筆者自身LPで集めたものと、CDになってから買ったものとで半分くらいは持っていたが、最近の箱物ラッシュでご多分に漏れず廉価盤化されたので結局購入することになった。

ライナー・ノーツは71ページほどだが、後半約10ページにブリュッヘンの略歴が英、仏、独語で掲載されている。

残りの部分は曲目と使用楽器の明細で、この曲集総てに亘って彼らの使用楽器とその所蔵が明記されている。

それらは錚々たる名器ばかりで驚かされるが、またこうしたところにも彼のオリジナル嗜好のこだわりが良く表れている。

録音はいくらか古い音源でごく一部にノイズが聞かれるが、概ね良好で満足のいくものだ。

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2015年08月02日


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ヴィヴァルディ、テレマン、ボワモルティエの室内協奏曲7曲を収録したCDで、演奏者のピリオド・アンサンブル、フィオリトゥーラは1995年にニューヨークで結成された。

ちなみにフィオリトゥーラは開花を意味するイタリア語だが、音楽用語としても華やかな装飾を指している。

彼らもアメリカでの盛んなバロック音楽嗜好を支えているアンサンブルで、中庸なテンポを設定したごく正統的な演奏が奇をてらったような印象を全く与えない。

また彼らの音楽はいたって快活で、古楽奏者としての気負いや野心的なところのない和やかな雰囲気が好ましい。

ヴィヴァルディの作品集の中にはフルートと弦楽合奏及び通奏低音の楽器編成で知られる『ごしきひわ』や『海の嵐』なども含まれている。

当時の演奏習慣では使用楽器の選択はソロ楽器の音域さえ一致するのであれば演奏者に任され、作曲家が厳密に指定した例はむしろ少ない。

またソロに通奏低音楽器をひとつ加えることによって大概の器楽曲の演奏が成立するという、バロック特有の融通性と広い可能性を示したサンプルだ。

この演奏では娯楽のための集いというリラックス感があるが、アンサンブルとしても良く修錬されていて、また個人的なテクニックも高水準にあるので、トリオ・ソナタなども聴いてみたい気がする。

基本的にソロ楽器のリコーダー、トラヴェルソ、オーボエ、ヴァイオリン及びファゴットに通奏低音としてチェロ、テオルボ、チェンバロが加わる8人が構成メンバーの総てで、曲によって適宜演奏者が交替している。

2003年の録音で教会内での豊かな残響を捉えた音質は良好だが録音レベルがいくらか低めで、音像が中央にまとまっているのでアンサンブルとしては良い響きが得られているが、臨場感はそれほどでもない。

ピッチは現在より半音ほど低いスタンダード・バロック・ピッチで、演奏者紹介と全員の使用楽器の明細が書かれたライナー・ノーツ付。

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2008年10月23日


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アーノンクールによる当曲集の初録音。録音途中でシェフトラインが亡くなったため完成が遅れていたものである。他にも一部メンバーの移動はあるが、イギリスを含めオリジナル楽器の名演奏家が集められている。

生き生きとしたリズムに支えられ、新鮮な感動と喜びにあふれたテレマンを作り出している。

テンポも妥当であり、ひとつひとつの音がそれぞれの意味あいをもって流れてゆく。

一時代のアーノンクールの演奏につきまといがちであった、あの粗くて不自然なアクセントはすっかり影をひそめ、すべては自然に自由に、そして自在に営まれている。

アーノンクールとしては案外普通の演奏に落ち着いているのはむしろ曲のせいもあろう。

強烈なインパクトを与える種の音楽ではないにしても、拍子抜けの感もある。

ほとんどメンバーにまかせたような、自然で豊かな音楽の流れになっている。

もちろん各楽器の奏者たちの独奏には出色のものがある。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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